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第三百七話 それは大袈裟、ドラゴンが出た

「ほら、早く来い!」

「ちょ……ちょっと待ってって……お前……あんなことしておいて……随分余裕だな……」

「別にキスぐらいで……大袈裟だな」

「大袈裟って……」


 どの辺が大袈裟なんだよ! どの辺が!!


「お前さ……」

「なんだ? 休憩したいのか?」

「そうじゃなくて……なんでお前……キスが普通みたいなこと言ってんの……」

「別に子どもにキスしようが何とも思わん」

「……」


 そうか……まだ俺は子どもか……。


「ほら、そうこう言ってる間に、来たぞ」

「……何が?」

「アレだ」


 シェダルの視線の先にいたのは……。


「な、なんだよあれ……」


 めちゃくちゃデカい紫色のドラゴンだった。

 セントレアコーポレーションで乗っかった奴よりも数倍くらいデカい……ワイバーンなんて比じゃねぇ……。


「昇! 一緒に戦うぞ!」


 シェダルはそう言って、鍵を変えた。


『魔法スキル!』

「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 唱えすぎる! 魔法スキル!』


 シェダルは魔法スキルか……じゃあ俺は!


「スケートスキル!」

『スキルチェンジ!』

「スキル解放! 滑りすぎる! スケートスキル!」


 俺はスケートスキルへと変身した。

 そうだ、こいつは13階層での地竜での戦法……それが奴にも通用するはずだと考えた。

 奴の背中には羽は生えてはいるものの、奴にとっては窮屈なこのダンジョンでは恐らく無意味……退化しているであろうと考えた。


「昇! 考えていることは同じなようだな!」

「あぁ!」


 超々鍵スキルで一心同体となって戦った影響からか、それとも同じ時間を長い間過ごしてきている影響からなのかは不明だが、俺たちの考えている事は同じなようだった。

 奴は咆哮を上げ、宣戦布告をする。


「行くぞ! 昇! 援護は任せろ!」

「あぁ! 頼むぜ!」


 シェダルは早速氷のフィールドを張り、俺はその上を滑走する。

 奴はその行動を読んでいたのか、口から炎を吐いて攻撃を仕掛けるも、俺の滑走とシェダルの魔法はそれよりも早かった。

 俺たちは見事な連携を見せ、奴に近づく。

 自分で見事な連携って言うのは……なんか恥ずかしいけど。


「昇! 今のうちにまたの下に入り込め!」

「おう!」


 俺はシェダルの指示通り、奴の下へと潜り込んだ。

 後は……。


「……昇! 離れろ!」

「……え?」


 シェダルの指示を聞いたその時、俺の真上の天井が降りてきているのが分かった。

 まずい! お見通しってか!?

 だが……ここで決めてやる! 俺は鍵を回した。


『スキル必殺!』

「うおおおおおお!!」


 俺は近づいてくる天井にビビりつつも、必殺技を発動させた。


『スケートスキル! 滑りすぎフィニッシュ!』


 俺は持っていた斧で奴の風穴を開けた……が。


「うおおおお!?」


 俺は奴から噴き出た血液に流され、外へと出た。

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