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第三百三話 ヤバい敵、デカい敵

「やばい……緊張する……」

「既にヤバい敵とは戦っただろう! 何がそんなに怖いんだ?」

「いやだって……ここからモンスターが尚の事ヤバくなるんだろ?」

「まぁまぁ、私とお前なら大丈夫だって」


 シェダルは随分と余裕そうだ。

 そりゃだって、シェダルは既に一番奥の手前まで行ったからそんな事が言えるのであって、腕輪が無ければただのひ弱な男に何をそんなに……。


「……昇! 敵だ!」

「……え? ちょっと待ってよ! 心の準備が……」


 シェダルの視線の先には、固そうな鎧を着て、身長が馬鹿みたいにデカいゴブリンがいた。

 多分普通サイズの20倍はある。

 おいおいおい! あんな馬鹿デカいバケモンを相手にするってのかよ!?


「よし! ここはこいつだ!」


 シェダルはそう言って、持ち手に拳が描かれている鍵を取り出した。


『格闘スキル!』

「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 殴りすぎる! 格闘スキル!』


 腕輪から音声が流れ、シェダルは銀色のチャイナドレスに身を包み、メリケンサックを装備した姿になった。

 ……っていうかウトピアにチャイナドレスって概念があるのか? まぁいいや。


「なんで格闘スキル?」

「単純に奴の装甲を破るのに最適だと考えたからだ! お前は鑑定スキルで奴の装甲で一番脆い部分を探れ! 持ち手に虫メガネが描かれている鍵がそれだ!」

「あ、あぁ!」


 俺はケースを探り、鍵を探した。

 えっと虫眼鏡……あった!


『鑑定スキル!』

「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 調べすぎる! 鑑定スキル!』


 そんな音声が流れ、下を見てみると……。


「な、なんだこれ?」

「探偵風だ、いいだろう?」

「あーなるほど……」


 俺は某英国の推理小説に出てきそうな探偵みたいになっていた……例によって配色は金。

 右手にはこれまた金の虫眼鏡を装備していた。


「さぁ、昇! 奴が迫っているぞ! 弱点を探れ!」

「あ、あぁ! えぇっと確か……」


 武装化した市民を解析した時は……虫眼鏡を照準に合わせて……。

 うおぉ!? 二回目だけど、やっぱかっこいいなこれ! またもSF映画みたいな解析画面が虫眼鏡に表示されている。

 弱点は……。


「……肘の装甲が他の部分と比べて脆い!」

「よし! じゃあお前も鍵を変えろ!」

「あぁ!」


 俺は鑑定スキルの鍵を外し、シェダルと同じ格闘スキルの鍵を取り出した……のだが。


「うおぉ!?」


 奴がどこからか棍棒を取り出しこちらに向かって振り下ろしてきた。

 全く……油断も隙も無い……。

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