第二百九十一話 下に落ちた! 敵討ちだ!
「いい気になるなよ……食らえ!」
シェダルがダイヤルを回そうとしたその時、奴は床を殴って、足場を崩れさせた。
「うおおおお!?」
「慌てるな! 昇!」
「んなこと言っても!」
大地震が起こったかの如く足場が揺れ、俺たちは下へと落ちた。
シェダルが態勢を整え、何とか着地には成功した……が。
「くたばれェ!!」
奴は着地して1秒も待たずに、こちらに向かって火を放った。
しかし、シェダルがそれを見越し、避けることに成功した。
「すまん、シェダル」
「今は戦うことに集中しろ!」
「あ、あぁ!」
俺は再びダイヤルを回した。
『剣スキル! 切り裂きすぎ!』
そんな音声が鳴り、装備していた弓が剣に変わる。
俺はそのまま奴に目掛けて突撃した。
すると奴はまたもどこかから、剣を取り出し、俺の斬撃を止める。
「甘いなァ……甘すぎるなァ……所詮貴様らは鍵スキルだァ……魔王であるこの私を打ちのめすなんて無理な話だァ……」
奴はそう言って、俺たちに蹴りを入れる。
バランスを崩すも、シェダルが咄嗟に体勢を立て直し、大きなダメージにはならなかった。
「ここはこいつだ」
シェダルはダイヤルを回した。
『魔法スキル! 唱えすぎ!』
シェダルは杖を装備するや否や、イメージをする。
そのイメージは俺にも伝わる……って正気かよ!?
さっき突撃した時も思ったけど、やることがぶっ飛びすぎだろ!
『わがまま言うな! 私について行くんだろ?』
あぁもう! 仕方ねぇ!
「うおおおおおおおお!!」
シェダルは奴目掛けて突撃を開始し「イメージした攻撃」を奴に目掛けて行使する。
奴の腹に杖が向けられた……ほぼゼロ距離で。
「食らえ!!」
シェダルは杖から、紫のレーザービームを打ち放った。
……そうだ、薫の必殺技である「エレメントフィニッシュ」だ。
「これは薫の敵討ちだ!」
……だとしても、やることがえげつなすぎる!
「あぁ……痛い……痛い! 痛すぎるぞ!」
それでも奴は、まだまだやる気だった。
タフすぎる……どうすりゃいいんだ……。