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第二百八十五話 揺れる揺れる! 屋上に出る!

『うぉうぉうぉうぉ!?』


 揺れる揺れる! ジェットコースターかよここは!?

 でもこの場合上っているから違うか……って下らないこと考えている場合じゃねぇ!

 シェダルは俺を巧みに操作し、階段にいるモンスター達を吹っ飛ばしつつ階段を上がっていく。


「昇! もうすぐだ! ゲロを吐くのは少し我慢してくれよ!」

『は、早く着いてくれ!』


 これ変身解除したら1秒も待たずに吐く自信がある! そのくらいやばい!


「あと少しで屋上だ! 行くぞ!」

『う、うおおおおおおおおお!!』


 あと少し……あと少しだ!

 俺の目線から、屋上につながるであろう扉が見えている。

 あの先に、ヒース社長……魔王のヒューモンスターがいる。

 あの野郎をぶっ潰して……平和を取り戻す!

 シェダルはフルスロットルで扉に突撃し、屋上へと足を踏み入れた。

 シェダルは屋上へ出るや否や、ブレーキを掛け、俺の変身を解除する。

 そして……。


「おえええええ……」


 ……その場で吐いた。

 はぁ……マジで気持ち悪かった……。


「……昇」

「……あぁ」


 気を取り直し、俺たちは目線を前へと向ける。

 ……はるか遠くに、モンスターの寄せ集めのような怪物が見えた。

 あれこそが……魔王のヒューモンスター……。

 奴はこちらに気づいたのか、ゆっくりと振り返る。

 俺たちは、覚悟を決め、歩き始めた。

 奴もこちらに向かって歩き始める……正直、恐怖の気持ちがあったが、もう後戻りはできない……とは言っても、手がめっちゃ震える……怖い……。


「……昇」

「……」


 シェダルはそんな俺を察したのか、手を握ってくれた。

 シェダルの体温が掌に伝わり、俺はそれによって、なんとなく安心した。

 ……そうこうしているうちに、俺らと奴は、目の鼻の先の距離まで来ていた。

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