閑話 応戦
「おらぁ!」
『レッドセイヴァー! ファイヤーフィニッシュ!』
翔琉ことレッドセイヴァーは炎を纏った剣をモンスターに振るった。
モンスターたちに炎が立ち上り、煙となって消えていく。
「おいおい、なんとか戦えてるはいるけどよ……」
「これいつか限界来るんじゃないの!?」
愁と悠里は、先の事の不安を口にする。
しかし、1人の仲間の言葉で我に返った。
「……まだまだ戦えます! 愁さん、悠里さん……あきらめちゃダメです!」
薫は2人に向かってそう叫ぶ。
「……ウチだってまだまだこんなんじゃない!」
「薫ちゃん……俺だって!!」
2人は再び闘志を燃やし、携帯を外し、スキル必殺を唱える。
『ブルーハンマー! ロッキンフィニッシュ!』
『グリーンアーチャー! サイクロンフィニッシュ!』
青き鎚と緑の矢がモンスターの大群に炸裂し、煙となって消えていく。
「私も……負けていられません! 『スキル必殺』!」
『声紋認証!』
薫も2人に感化され、スキル必殺を携帯に向かって唱える。
『ヴァイオレットマジシャン! エレメントフィニッシュ!』
ヴァイオレットステッキから無数の矢が放たれ、まるで霧雨の如くモンスターに降り注ぎ、セントレアコーポレーションに蔓延っているモンスターたちは、7割近くが消滅した。
「薫ちゃん! ナイスアシスト!」
「……はい!」
薫は、愁に褒められたことに、喜びを感じた。
「みんな! 残りのモンスターもこのまま一掃するぞ!」
翔琉は3人を感化させた。
4色の戦士たちは残りのモンスターに向かって走り出す。
そしてモンスターに攻撃を開始しようとした、その時だった。
突如、先頭を走るモンスターに矢が炸裂し、煙となって消えた。
「え!?」
「な、なに!?」
前を走っていた翔琉と悠里は、拍子抜けをした。
「みんな! お待たせ!」
「吉祥さん!」
「4人とも! よくぞここまで戦った!」
「冥加さん!」
剣、春香率いる冒険者ギルドの面々が、セントレアコーポレーションの前に集結していた。
「モンスターたちは!?」
「あぁ! 自衛隊と機動隊だけでも対処できるくらいに減った!」
「す、凄い……」
翔琉はプロの冒険者たちによる戦況報告に、驚愕した。
「同志諸君! お前らは仲間の元へ急げ!」
「昇くんとシャダルちゃん、ここにいないということは、このビルの中に入っていったんでしょ!? ここは私たちに任せて先に進んで!」
「冥加さん……吉祥さん……」
冒険者たちの加勢により、残ったモンスターたちは徐々に数を減らしていく。
翔琉たちにも余裕が出てきていた。
「……みんな! 昇とシェダルちゃんのいるところへ急ごう!」
「うん!」
「おう!」
「……はい!」
4色の戦士たちは、セントレアコーポレーションの中……仲間がいるところへと走り出した。