表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

36/408

第三十三話 君の数、一体幾つ?

「ふぅ~、先ほどは死ぬかと思ったぁ~」

「……」


 俺はシェダルの裸を凝視しないよう、背を向けて入るよう提案した。

 とは言っても、背中越しにシェダルの肌を感じるので、これはこれで緊張する。


「なぁ! 昇!」

「は、はい!?」

「あははは! そこまで緊張しなくてもいいだろ!」

「……」


 シェダルはテンションが戻ったのか、陽気に話しかけてきた。

 お前さっきまで恐怖で涙を見せたのに、あれ本当は噓泣きだったんじゃないか? 俺をからかってるのか? 全く……


「な、なぁ……」

「どうした?」

「俺もう出るわ!」


 湯船から上がろうとした、その時。


「こらこら、体がまだ暖まってないだろう!」


 シェダルは俺の両肩を押し込んで、再びお湯の中へ乗船させた。

 俺は今すぐにでもこの船を降りたい!

 マジでこいつ、なんなんだ……


「なぁ、ちょっと質問していいか?」

「なんだ? 昇」

「お前その……俺に裸を見られて恥ずかしくないのか?」

「ははは! 出会った時も素っ裸じゃないか!」

「まぁ……そうだけど」


 ほんと、調子狂うわ……なんで平然としていられるのか謎だ。

 俺は緊張でしょうがないのに。


「別に『子ども』に裸を見られてもどうとも思わないからな!」

「子ども?」


 飯の時もそうだが、こいつ見た目的に俺と少し下か同い年ぐらいだよな?

 話し方は若干大人びているというか、男っぽいというか、なんか年上の女性と話しているみたいだけれども。


「気になるんだがお前、何歳?」

「女性に年齢を聞くとは失礼な奴だな!」

「あ、ご、ごめん……」

「ははは! お前ほんと可愛い奴だな! 緊張してるのか?」

「当たり前だろ! 女の子と一緒に風呂なんて……」


 やっぱりこいつ、からかってるのか?

 何というか、掴めない。

 何でこいつは俺の手を握るように、がっしり掴んで離さないような話し方をするんだろう?

 なんというか、母親みたいな……


「150だ」


 シェダルは突然、どデカい数字を口にした。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ