第二百七十七話 別行動、そこに集合
「まぁともかく! 急ぐぞ! 皆! 集まれ!」
シェダルは4人を集合させた。
「よし! 隠れ蓑の術!」
シェダルが術を唱えると、女性陣は透明になった。
「えぇ!?」
「悠里!? 薫ちゃん!? どこ!?」
2人は突如消えた女性陣に対して困惑した。
まぁそうだろうな。
「翔琉! ウチはここにいるよ!」
「うおぉ!?」
悠里は翔琉に抱き着いた……ようだ。
端から見れば今の翔琉は某星条旗の国のポップスターのように、脚を固定したまま傾斜しているようにしか見えない。
「ゆ、悠里!? 今乗っかってんの悠里なの!?」
「そうだって言ってるでしょ!」
「え、だってどこにも……」
「だからここに……あ、すご! ウチ透明になってる!」
気づくの遅いな……まぁ、透明になれるとなるとそうもなるか……。
「薫ちゃん? 薫ちゃんもいる?」
「……ここにいる」
「え、あ……今……手握ってる?」
「あ、その……すみません……」
「あ、いや、嫌なわけじゃないんだよ!?」
愁と薫はいちゃいちゃしているようだった。
何やってんだよ全く……。
「ほら昇! お前も男衆に隠れ蓑の術を唱えろ!」
「はいよ……」
えぇっと……透明……透明……翔琉と愁と俺が透明に……。
「隠れ蓑の術!」
俺は隠れ蓑の術を唱えた……すると。
「うおぉ!? 俺らも透明に!?」
「すげぇ……」
2人は透明になった自分たちに驚愕していた。
「よし! 悠里は翔琉と、薫は愁と共に外に出ろ! 一旦別行動だ!」
「えぇ!?」
シェダルの提案に愁は驚愕の声をさらに上げる。
……まぁ、ちょうど都合よくチーム分け出来たから仕方が無いよな……。
「学校前のコンビニで一度集合だ! いいな!」
「おう!」
「わかった!」
「お、おう!」
「……わかりました!」
学校前のコンビニか……まぁすぐだな。
「よし、昇! 行くぞ!」
「あ、あぁ!」
右手にシェダルの体温を感じる。
恐らくシェダルに手を握られているのであろう。
セントレアコーポレーションに潜入した時も思ったけど……妙に緊張する。
「よし! 急ごう!」
「うん!」
「薫ちゃん、行くよ!」
「……はい!」
他4人も出発したようだった。
俺たちも早く行こう!




