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第二百七十話 解除する方法、市民を解放!

「おりゃあああああああ!!」


 剣が市民の頭上へ一刀両断し、市民はそのまま後ろへと倒れる。


「おいおい! 市民を殺す気かよ!」

「違う……こうするんだ!」

「うお!?」


 シェダルは右手を動かし、ダイヤルを回した。


『鑑定スキル! 調べすぎ!』


 か、鑑定スキル!?

 俺が動揺している中、シェダルは左手に持っていた剣を放り投げ、代わりに左手には、虫眼鏡を装備していた。


「鑑定スキルって……そんなスキル聞いたことねぇし、そもそもそんな鍵あったのか!?」

「あぁ、お前のケースの中にあったやつだ、ま、鍵スキル並みに持っている人は少ないし、使う機会が無いから知らなくて当然だ」


 確かにシェダルはモンスターの弱点やら特徴を知っているぐらい知識豊富だから使う機会はないな……。

 シェダルは装備した虫眼鏡を、左目に近づけた。

 すると、虫眼鏡がまるでSF映画に出てくるレーダーのようになり、武装した市民を隅々まで調べている。

 ……何か知らんけどカッコいい。


「見つけたぞ! 武装を解除する方法は……胸のあたりにある携帯電話に攻撃をすればいい!」

「む、胸?」


 胸のあたり……携帯電話?


「あぁ! 市民が武装した後、使用した携帯電話は胸のあたりにくるようだ!」

「よ、よし! それじゃあ、こいつだ!」


 俺はダイヤルを回した。


『鎚スキル! 潰しすぎ!』


 腕輪からそんな音声が鳴り、右手に鎚が出現する。


「よし! 昇! 鍵を回して必殺技だ!」

「ちゃんと力を調整してくれよ!」

「もちろんだ! 市民を助けるぞ!」

「おう!」


 俺はシェダルに言われた通り、「忌まわしい鍵」を回した。


『超々!! スキル必殺!!』


 そんな音声の後、ノリノリな待機音が鳴り響く。

 まるで俺の腕輪の待機音であるロック調の曲と、シェダルの腕輪から流れるダンスミュージックを掛け合わせたようなやつだ。

 俺はその待機音をバックに、鍵を再び回した。


『超々!! 鍵スキル!! フューチャリング! 鎚スキル!! 超々!! 凄すぎ潰しすぎフィニッシュ!!』


 腕輪からそんな音声が流れ、装備している鎚に光が集まる。

 今からそんな恐ろしい装甲から……解放してやるぞ!

 俺はそんな気持ちで、市民の胸部目掛けて鎚を振り下ろした。

 シェダルの助けでパワーと方向が調整され、胸部に鎚がクリティカルヒットした。

 すると、市民が身に纏っていた装甲に罅が入り……剥がれた。

 蛹から解放された蝶のように、中から男性が出てくる……息を微かにしていた……ということは、生きている?


「うぅ……」


 男性から声が発せられる……これは。


「致命傷にはなっていない、安心しろ」

「良かった……」

「だから言っただろう? 調整すると」

「まぁ、ちょっと不安だったからさ……」

「とにかく、他の市民もこの調子で何とかするぞ!」

「あ、あぁ!」


 とりあえず武装解除させた市民を隅に置いていき、俺たちは残りの暴徒たちに向かって走り出した。

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