第二百六十九話 スキルなり放題! 最強じゃないかい!?
「ははは、どうだ凄いだろう?」
「いや、これどういう事?」
「まぁ説明するとだな!」
「うぉ!?」
左手が動き、武装した市民を切りつけた。
おいおい、勝手に動かすなよ!
「こいつは変身音の通り! ダイヤルを回すと色んなスキルの力がつけるようになるんだ! いちいち鍵を変える必要もない上に! パワーも上がってるんだ!」
「ちょ、ちょっと待て! 体を動かしながら説明すんなよ!」
シェダルは説明をしながら、武装した市民を切り裂いていく。
俺はついて行くのに必死だ。
「まぁまぁ、お前も試してみろ」
「あ、あぁ……」
俺は右手でダイヤルを回す、すると……。
『魔法スキル! 唱えすぎ!』
そんな音声が流れ、右手に杖が出現した。
「こ、これは……」
「魔法スキルだ」
「えぇ!?」
左手に剣、右手に杖……。
これもう最強じゃないか?
「いいか? 左半身は私が動かすから、お前は右半身を操って戦え!」
「えぇ!? そんな難しい事できるか?」
「安心しろ、私が援護する……私を信じてくれるんだろ?」
「……あぁ!」
俺はまず、右脚を動かした……シェダルが調整してくれているのもあるかもしれないが、普段通りに走ることができている……それどころか、いつもよりも早い。
なんかこれ……行ける気がする!
少し自信がついてきたところで、頭の中に声が再生する。
『昇……杖で火を出して奴を怯ませろ!』
……シェダルの声だった。
なるほど……考えるまででもないが、一心同体することによって、シェダルが思っている事、感じている事も伝わるというわけか……
『そういうことだ! 行け!』
シェダルの声を聞いた俺は、使えら炎が出るイメージをし、火炎放射器の如く、杖から火を放った。
……ってちょっと待て! これ民家に引火したらやばくないか!?
「大丈夫だ! 今私が抑えてる!」
「あ、ごめん!」
どうやらシェダルが制御してくれているらしい……なら良かった……。
そんな事を考えているうちに、左半身……シェダルが制御している方では……。
「おりゃあああああああ!!」
剣が市民の頭上へ一刀両断し、市民はそのまま後ろへと倒れる。




