第二百六十八話 超々鍵スキル! 超々凄すぎる!
『超! スゲーイ!! 超! ヤベーイ!!』
……そんな音声が腕輪から流れる……なんか、いつもより気合が入ってるな。
……って、あれ?
「どうなってんだ? ……腕が勝手に……」
……突然、腕が勝手に動いた……って、ちょっと待て、腕だけじゃない、体の所々に感覚が……。
「成功だ! いやはや、私はやはり天才だな!」
えぇ!? どうなってんだ?
お、俺……口が勝手に開いて……シェダルの声が……。
どうなってるんだ……意識だけ残って体が死んでいるような……これは金縛りか?
「寝ていないのに金縛りというのはおかしいだろう!」
「おいおい! 俺の考えていることが分かるのか?」
「当たり前だ!」
ちょ、ちょっと待って、頭こんがらがってる……。
なんで俺の口からシェダルの声が? なんで所々体の感覚が無いの? 何でシャダルは俺の考えていることが分かるの? そもそもシェダルは今どこにいるの?
「まぁ、簡潔に言うと……今、『私とお前が一つになっている』んだ!」
「……え?」
ひ、一つに……? なんかそう言われると……。
「こら! いやらしい妄想をするんじゃない! 筒抜けだぞ!」
腕が勝手に動いて、自分で自分の顔をぶん殴った。
……厳密に言えば、シェダルが俺の顔面をぶん殴ったんだが……あぁもう! どうでもいいや!
「そそそ、そんなことより! あの市民を何とかしなくちゃ!」
「おぉっと、そうだったな! さ、行くぞ!」
足が動き出し……武装した市民の元へと向かっていく……。
なんか、勝手に動くって気味が悪いけど、まぁいいや!
俺たちはまず最初に、目の前の、今にも民家をぶち破ろうとしている市民の所へと急行する。
「はぁはぁ……うわああああああ!!」
武装した市民は、自分が何をしているのか分かっていない状況だった。
このまま民家を襲撃したら、中にいる住民に危害が及ぶ……何とかしなくちゃ!
「昇! あの市民をぶん殴れ!」
「えぇ!? 急に何!?」
「安心しろ! 力はこっちで調整する!」
「お、おう!」
俺は拳を握りしめ、武装した市民に向かってパンチを繰り出した。
武装した市民は……民家の塀に激突した。
「おいおい! これ本当に調整したのかよ!?」
「これでも調整した、現に奴は死んでないだろう」
「そうだけどさ……」
塀に激突した市民は立ち上がり、こちらに向かって襲い掛かろうとしていた。
「よし! ダイヤルを回すぞ!」
「ま、回す!?」
「いいから! 早くしないと怪我するぞ!」
シェダルが右腕を動かし……ダイヤルを回した。
『剣スキル! 切り裂きすぎ!』
ダイヤルが思いっきり回り、そんな音声が流れる。
剣スキル……? どういう事だ?
「こういうことだ!」
シェダルの声が聞こえ、我に返ると……。
「剣!? いつの間に?」
左手で剣を握りしめていた。




