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第二百六十五話 ただいま叔父さん! 神殿を退散!

「昇くん!」

「叔父さん!」


 聖堂に入ると、叔父さんがこちらに向かって駆けてくる。

 俺も思わず、叔父さんの元へと急いだ。


「叔父さん! ……ごめんなさい」

「謝らなくたっていいんだよ……」


 叔父さんは、俺の事を包み込んだ。

……そうだ、言い忘れたことがあった。


「……ただいま、叔父さん」

「……おかえり、昇くん」


 俺はしばらく叔父さんとの再会を分かち合った。


「……昇くんが無事で本当に良かった……」

「叔父さん……ごめんなさい、俺、叔父さんの約束、守れなかった……」

「いいよ……最後の約束は守ったでしょ?」

「……」


 最後の約束……無事に帰ってくること……。

 無事……とまでは言わないかもしれないけど……守ったのかな?


「……さ、避難所へ行こう」

「……うん」


 後ろで待機していたシェダルが、転移スキルに変身して、ホールを作成する。


「行くぞ! 昇!」

「お、おい!」


 俺はシェダルに引っ張られる……この感触も、なんか久々に感じる。


「行くよ! 昇くん!」

「お、叔父さん……」


 叔父さんは俺の肩を掴む。

 ……なんか新鮮に感じるな。

 ……と、ちょっと待て。


「やばい! 酔い止め薬飲んでない!」

「時間が無い! 行くぞ!」

「えぇ!?」


 冗談だろ!? しかも今回は叔父さんもいるのに……。


「昇くん! 吐くなら出てからね!」

「お、叔父さん! そりゃないでしょ!?」

「四の五の言わずに行くぞ! 昇!」

「ちょっとシェダル!」


 シェダルに引っ張られ、俺たちは転移ホールへと入った。



「おえぇ……危うくホールの中で吐くところだった……」

「大丈夫かい? 昇くん」

「大丈夫じゃない……」


 マジで、酔い止め薬が無いだけでこんなことになるとは……。

 そうだ! 鍵屋の周りを確認しなければ!


「シェダル! 外を確認しよう!」

「あぁ!」


 俺とシェダルは急いで鍵屋の外に出た。

 ……辺りを見回しても、騒ぎは起きていない。

 遠くの方では、何やら物音が聞こえるが……この辺りは大丈夫なようだ。

 携帯で時計を見ると……12時前、シェダルの話だと、もうじき自衛隊と冒険者が来る。


「ほら昇、酔い止め薬を飲んで、避難場所に行く準備をしろ!」

「引っ張るなっての!」


 俺はシェダルに引っ張られ、部屋へと連行された。

 全く……でも確かに、いつ武装した市民が分からないからな。

 叔父さんは俺を迎えに行く前に既に避難準備は終わったらしい。

 俺は部屋へ入るや否や、ボストンバッグに着替え、勉強道具、その他必需品をまとめる。

 ……そんな時だった。


「うわあああああああ!? 助けて!!」


 ……叔父さんの叫び声が、鍵屋に響き渡った。

 ……今すぐ降りなければ!


「昇!」

「あぁ!」


 部屋の扉が思いっきり開き、シェダルが俺を呼び掛ける。

 当然ではあるが、シェダルの気持ちも一緒のようだった。

 俺たちは下へと駆け下りた。

 階段を駆け下りながら俺たちは鍵を腕輪に挿した。


『『鍵スキル!』』

「「スキルチェンジ!!」」

『『スキル解放! 凄すぎる! 鍵スキル!』』

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