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第二百五十七話 寝てられない、場合じゃない!

「……シェ……ダル?」

「……昇?」


 昇は……その場でしゃがんだ。

 そして……。


「うぅ……」


 ……昇は泣き始めた。


「……昇くん」

「……昇」


 私たちは、つい、昇の元へ近づいた。

 ……至近距離まで。


「叔父さん……シェダル……うぅ……あああああああああああああああ!!」


 昇は……泣き叫んだ。


「……昇くん」

「さぁ……昇、そんな鍵……外せ」

「うぅ……うぅ……」


 昇は……静かに頷いて……鍵を外した。

 黄金の装甲が剥がれ落ち、昇の生身が露になった。

 私たちは……棘が無くなった昇の体を……静かに包み込んだ。


 

「……んん?」


 気が付くと、俺は安息の地の花畑にいた。

 あれ……俺……セントレアコーポレーションにいた筈じゃ……。


「昇!」

「昇くん!」

「シェダル……叔父さん……?」


 目の前には、シェダルと叔父さんがいた。


「よかった……無事で……」

「……叔父さん」


 叔父さんは安堵の表情で、深呼吸をした。

 何なんだ一体……。


「まぁいい、とにかく、行くぞ!」

「お、おい! どこへ?」


 俺はシェダルに抱えられ……連行された。



「シェダル……俺、何をやったんだ? ……ヒース社長は? 今、街はどうなってるの? あの岩のヒューモンスターは? なんで俺は安息の地に……っていうか叔父さんは何でここにいるの!?」


 俺はシェダルに抱えられながら……神殿を歩いている。

 俺は抱えられながらシェダルに早速質問をした。

 一体俺に何があったのだろうか?

 ……セントレアコーポレーションに潜入して、ヒース社長が魔王になって以降の事が思い出せない……


「……今は何も考えなくていい、お前はしばらく休んでいろ」

「そんな! ちょっと待ってくれよ!」

「ああ、卓郎さんがここにいるのは、鍵スキルだからだ」

「えぇ!? 叔父さん鍵スキルだったの!?」


 ここに来て衝撃の事実が……。

 まぁ、連日仕事が舞い込んできてたから、納得はできるけれども……。

 って、そんな事より!


「皆は!? 翔琉たちは……」

「そこは心配するな、全員無事だ、ヒューモンスターも……」

「皆が倒したのか!? ……良かった」

「……」


 ふぅ……なら一安心だ。

 皆やっぱすごいな、それに引き換え俺は……。


「ま、お前は一旦寝ていろ」


 寝室の扉が開かれ、俺はベッドに寝かされた。


「そんな! 寝ていられねぇよ! こんなことしてる場合じゃ……」

「昇!」

「っ!?」


 ……シェダルが怒鳴り声をあげ、俺は押し黙ってしまった。

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