第二百四十二話 影の乱入、早く向かう
「やめろ! 昇!」
翔琉は咄嗟に駆け寄り、攻撃を阻止しようとした。
剣で槍を跳ね返し、間一髪で突き刺さることは無かった。
だが……。
「邪魔だ……邪魔だ!」
昇は翔琉に向かって槍を突き刺そうとした……が。
「昇! 歯を食いしばれ!」
突如、白き影が乱入した。
白き影が攻撃を仕掛け、昇は地面に倒れた。
その影とは……。
「……シェダルちゃん!」
シェダルだった。
◇
私は桐生地区で一番記憶に残っている建物……薫の実家である岩国輪業の前に転移した。
恐らく狙いは薫か愁……どちらかは不明であるが、薫は無事なのだろうか?
……昇はここに来たのか? だが、そのような気配はない。
……まだ来ていないだけかもしれない。
そういえば、薫は無事だろうか? 昇も心配だが、一度薫の家を確認しなければ……。
私は岩国輪業の戸をノックし、開けた。
「薫! 無事か!?」
……返事は無かった。
薫のお爺さんもいないということは……避難したのか?
「スキル必殺!」
『声紋認証!』
遠くから、そんな音が聞こえる。
……これは……薫!? 助太刀しなければ……
とにかく、一度鍵を変えよう!
私は鍵を入れ替えた。
『鍵スキル!』
「スキルチェンジ!」
『スキル解放! 凄すぎる! 鍵スキル!』
待っていろ! 薫! 今そっちに向かうからな!
私は音がした方へ急行しようとした……が。
「な、なんだあれは……」
突如上空から金色の塊のような物が降りてきた。
アレは……。
「……昇か!?」
いかん! 早く向かわなければ!