閑話 黄金の乱入者 2
「……潰す」
金の戦士は、そう呟き……倒れていたヒューモンスターに攻撃を仕掛けた。
腕の途中から生えていたドライバー型の槍を何回も突き刺し、ゴーレムヒューモンスターはその攻撃に苦しみだす。
「潰す……潰す!」
金の戦士は攻撃を止めることはなく、槍の攻撃を続けていた。
だが、ゴーレムヒューモンスターもただやられているだけではなかった。
ゴーレムヒューモンスターは、足で金の戦士を弾きだし……逃げ出した。
だが……。
「……逃がさない……八つ裂きにする」
金の戦士が、ゴーレムヒューモンスターを背中から抑えつけ、再び槍の攻撃を開始する。
やがて、ゴーレムヒューモンスターは、攻撃を仕掛ける隙すらも与えられなくなった。
「「「……」」」
3人は、その一連の流れに、ただ黙って観ているしかできなかった。
力の差は歴然。
金の戦士が圧倒的に強かった。
強者が一方的に弱者を攻撃するその姿に……3人は何も言えなかった。
「はぁ……はぁ!」
ゴーレムヒューモンスターは最後の力を振り絞り、金の戦士に攻撃を仕掛け、逃走を図ろうとしていた。
それが成功したのか、ゴーレムヒューモンスターは背を向け走り出す。
「逃がさない……」
金の戦士は右腕に着けていたものを操作し始めた。
3人は、それに見覚えがあった。
「あれは……」
「まさか……」
「……昇くん?」
……スキルチェンジャー、昇がつけている腕輪だった。
ここで3人は、この金の戦士が昇であることを確信した。
昇は腕輪についている鍵を回した。
『超スキル必殺!』
腕輪からそんな音声が流れ、両腕から生えている槍に光が集まった。
「……まさか」
「よせ! 昇!」
「昇くん!」
昇には普段見慣れている3人の制止を呼び掛ける声は聞こえず、再び鍵を回した。
『超! 鍵スキル! やばすぎ! 強すぎ! 超フィニッシュ!!』
腕輪からそんな音声が流れ、昇は一瞬にしてゴーレムヒューモンスターの正面に移動し……光り輝く槍を刺した。
「ぐわぁ……うぐ……」
槍がヒューモンスターに突き刺さる。
昇は突き刺さったソレを、足で押し、突き放した。
ゴーレムヒューモンスターの岩石の肌が剥がれ落ち……中からカルデナが現れる。
「あれは……」
「……女の子?」
「見た感じ……外国人?」
3人はゴーレムヒューモンスターの正体に驚愕した。
一方昇は……。
「潰す……潰す!」
戦闘不能になったカルデナに再び攻撃を仕掛けようとしていた。




