閑話 黄金の乱入者 1
「はぁ……はぁ……やっぱり手ごわいな……」
桐生地区では、悠里と愁が、引き続きゴーレムヒューモンスターと戦っていた。
しかし、2対1でも、ほぼ互角。
戦況は進まず、お互いにらみ合っている状態だ。
「絶対……止める! そして……罪を償ってもらうぜ!」
愁は、ゴーレムヒューモンスターを自身の母親と重ね合わせ、再び戦う覚悟を決める。
これ以上母親のような人物を増やしたくない、これ以上罪を重ねてほしくない。
愁はそんな思いで、立ち上がった。
「2人とも! 遅くなってごめん!」
「翔琉!」
薫を安全なところへ送った翔琉が、再び戦地に戻り、2人の壁になるように、剣を構えた。
「小松翔琉……貴様も殺す!」
ゴーレムヒューモンスターは、3人の元へと走り始める。
3人は各々武器を構えた。
「2人とも!」
「わかってらぁ!」
「任せて!」
3人は携帯を外し、自分たちの口元へと近づけた。
「「「スキル必殺!」」」
『『『声紋認証!』』』
そして待機音をバックに再び携帯を武器に嵌めた。
『レッドセイヴァー! ファイヤーフィニッシュ!』
『ブルーハンマー! ロッキンフィニッシュ!』
『グリーンアーチャー! サイクロンフィニッシュ!』
翔琉は向かってくるゴーレムヒューモンスターに炎の剣を横から払い、愁は青く輝く鎚を振り下ろし、悠里は緑の閃光の矢を打ち放った。
各々の攻撃がゴーレムヒューモンスターに命中し、ゴーレムヒューモンスターは再び倒れた。
「よし! あと少しだ! 2人とも! 行こう!」
翔琉が2人を先導し、再び攻撃を仕掛けようと前進する。
しかし……。
「翔琉! 愁! 上!」
「え?」
「どうした?」
悠里が空を指差し、前進する2人を制止する。
2人が指を差す方向を見上げると……。
「うわぁ!? なんだありゃ!?」
「愁! 悠里! 逃げろ!」
空から、金の物体が降りてくる。
翔琉はただ物ではないと考え、2人に逃げるよう命令した。
やがて、その金の物体が……地表に降りてきた。
その金の物体は、前進が棘だらけであった。
「あれは一体……」
「なんだありゃ……」
「……人?」
3人は離れた位置で、その金の物体を見ていた。
だが3人はあることに気が付く、それは……。
「……あれは」
「……人?」
「まさか……」
3人は、その金の物体が、人であることに気が付く。
「……潰す」