第二百三十九話 超ヤバすぎる! 超強すぎる!
「……まぁ、しなくてもいいさ、ここで消えるんだから!」
ヒース社長の片腕に、何やら禍々しい光が溜まってきている。
これは……。
「まずいぞ! 避けろ!」
シェダルの声を聞き、俺は咄嗟に横に避けた。
俺が立っていた場所には、まるで隕石が落ちたかのような凹みができ、煙が立ち上っていた。
……当たったら一たまりの無い。
「アハハハハ! もうじき……君らのお仲間はお陀仏さ!」
「……どういう意味だ?」
「まだ分からないのかい? あの怪物が何を狙っているのかを……」
「……まさか」
翔琉や悠里の家が襲われ、今度は桐生地区に出現した、そしてさっきの社長の発言。
『君たちには本当に迷惑しているんだよ、毎回毎回モンスター化した人間を倒すからさぁ……』
……ということは。
奴の狙いは……俺たち?
「昇! 今すぐ皆の元へ行かないとまずいぞ!」
「そんなの分かってる! でも……」
こんな奴が壁として立ちはだかっている以上、行くに行けない……。
「とにかく、鍵を変えなければ……」
シェダルはケースを開き、別の鍵を取り出そうとした……が。
「させるか!」
……奴は口から炎を吐きだし、シェダルを丸焼けにしようとしていた。
「危ない! シェダル!」
「……はぁはぁ、大丈夫だ!」
シェダルは間一髪で避けたようだった。
クソ……どうやったら……。
「ははは! 所詮貴様らは、私の前では無力なのさ! 無能な鍵スキルではな! お前の仲間も……いずれ死ぬ」
「……なんだと?」
……なんだろう、無性に腹が立つ。
こんな奴のせいで……皆が……。
「……許せねぇ」
「……昇?」
俺はケースを開け……無意識に、とある鍵を取り出した。
「昇! その鍵は一体……」
俺は忍者スキルの鍵を外し……その鍵を挿した。
『超! 鍵スキル!』
……俺は鍵を回した。
「……スキルチェンジ」
『スキル解放!』
「うぐ!?」
はぁはぁ……なんだ?
『超ヤバすぎる! 超強すぎる! 超鍵スキル!』
体が……苦しい!
全身が痛い……辛い……俺は一体……。
「う、うぐ……ぐわあああああああああああ!!」
「昇!」
俺は……目の前が真っ暗になった。
『超! ヤベーイ!!』