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第二百十九話 抱き癖発動、動く陰謀

「いいいいいいい、いきなりなんだよ!?」


 俺はシェダルの不意打ちにビビりまくって、顔が熱くなったような気がした。


「すまない! 私としたことが……」


 シェダルは今にも泣きそうな声でそう言った。

 えぇっと……ここはどうすればいいんだ?

 そ、そうだ!


「全く……言ってる自分が意地張っててどうすんだよ!」


 こ、これでいいのか?


「あぁ……すまんな、昇……」


 良かった……でも凄い震え声だ……ここは、えっと……。


「お、おう……、俺もごめん……偉そうな事言ってしまって……」


 俺はそう言って泣きそうなシェダルを……ゆっくり包み込んだ。


「全くだ……子どもの癖に……」

「おう……」


 さりげなく俺を子ども扱いすんなよ……まぁ良いけど。

 俺たちはしばらくの間、抱き締めあった。


「いやぁ、やっと説明書見つけたよ! 全く引き出しの奥に……おっと」


 ……そういえば叔父さん、説明書探しに行っていたんだった!

 やべぇ……気まずい……。


「あ、いやその叔父さん……」

「ごめんごめん! 2人きりの時間を邪魔しちゃって!」

「ち、違うから!」


 ……俺はそう言って叔父さんを引き留めた。



「……ってわけなんだよ」

「そうか……」


 俺は叔父さんがいない間に起きた、テレビの内容を話した。


「今から無料配布か……ダンジョンの影響で武器が簡単に手に入るようにはなったけど、そんな恐ろしい代物が出回るなんて、叔父さん不安だなぁ……」

「それは俺もそう思うよ」


 叔父さんが以前俺の為に剣を買ってくれたように、今は簡単に武器が手に入る……とは言っても包丁と同じように、身分証の提示が必須らしいんだけど。

 ……だが、いくらヒューモンスター対策とは言っても、いとも簡単に、重武装した人間に大ダメージを与えるような物がダウンロードのボタンを押すだけで簡単に手に入るとは恐ろしい。

 翔琉たちの変身武器が簡単に手に入るというのと同義ではないだろうか?


「……で、シェダル」

「……あぁ」


 シェダルは腹をくくったのか、俺と叔父さんに、ヒース社長との関係を話し始めた。


「彼は……ヒース長官は……」


 俺たちはシェダルの言ったことに驚愕した。


「……私の元上司だ」



「……準備は整った」


 テレビでの演説を終え、ヒースは暗闇へと戻った。


「……カルデナ」


 ヒースはカルデナ……ゴーレムヒューモンスターを呼び出して、ある指示を出す。

 その指示とは……。


「……日が昇ったら、奴らの内、一人を殺せ。対象は……」


 ……ヒースはパソコンの画面を指差し……それを見たゴーレムヒューモンスターは、ゆっくりと頷いた。

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