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閑話 高速道路

「流石に奴もここを突破することはできないだろう……」


 高速道路の出口、警察がそこにバリゲートを作り、冒険者もそこに集結していた。


「油断は禁物だぞ! ノーマン!」

「そうよ! 常に最悪な結果を想定しなさい」


 バリゲートは突破できないと言った峰田ノーマンに対し、彼の上司である剣と春香は、それは違うと言った。


「全く……ノーマンはそんなんだから剣さんに引っ張られるのよ!」

「なんだと!? 攻撃を避けてばっかりのテメェに言われる筋合いはねぇんだよ!」

「私は回復が仕事だからいいの! 誰のおかげで怪我しないで済んでいるというの?」

「この……」


 回復スキル持ちの八尾芽衣はノーマンの悠長ぶりに呆れていた。

 芽衣とノーマンが口論をしていた……その時。


「来たぞ!」

「ここで食い止めるんだ!」


 ヒューモンスターがバリゲートに接近していることを、警察官が伝えた。

 言い争っていたノーマンと芽衣も、襲撃に備え、戦闘態勢に入る。


「ここで食い止めてやるぜ!」

「ちょっと剣!」

「じゃあ俺も!」


 剣とノーマンがバリゲートを突破し、ヒューモンスターを力づくで止めようと考えた。

 剣につられ、接近戦を得意とする冒険者たちは、前へと出た。


「あぁもう!」


 それを見かねた春香も、援護をするために前へと出た。

 芽衣はそれを……遠くで見守ることにした。

 冒険者たちが前へと出る中、ヒューモンスターは、既に目と鼻の先にいた。


「おっしゃ! 行くぜ! 皆続け!」


 冒険者たちは剣の号令に合わせて大きく声を上げ、突撃を開始する。

 近接武器持ちが各々の武器を振り上げ、ヒューモンスターを止めようとしていた。

 だが……。


「うわあああああああ!?」


冒険者たちは、ヒューモンスターの突進攻撃を受け、吹っ飛ばされていった。

最初に飛ばされたのは……剣だった。

剣に続き、次々と冒険者たちが道路に叩きつけられ、ヒューモンスターはそのまま前進を続ける。


「全員退避! 退避!」


 バリゲートの中にいた警察官たちは、前にいた冒険者たちを見て、退避を始めた。

 警察官たちは高速道路の路肩に急いで集まった。

 ヒューモンスターはお構いなしに突進を始め、バリゲートを突き破った。

 そしてパトカーに白バイ、冒険者たちが乗ってきたバイクとバギーも、お釈迦になってしまった。


「うぅ……」

「いてて……」


 幸い、冒険者たちは全員起き上がり、命に別状はなかった。

 警察官たちは、炎上する車両を見て……ただ見ることしかできなかった。

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