第百八十五話 出現情報、ここにいろ!
「内容は大人向けのハードボイルド路線らしいからな! 楽しみだ!」
……正直、俺も観たいと思っていた。
シェダルはテレビをつけて、再生機のボタンを押そうとしている。
そんな中、俺はお粥を食べ進めていた、すると……。
「……速報か?」
……シェダルがテレビを見上げてそう言う。
映像には、キャスターが原稿を急いで用意しているようだった。
これは……。
『速報です! 先ほどお伝えしたモンスター人間出現情報ですが、現在、東北自動車道を南下中とのことです、現在は……』
……場所はすぐ近くだ!
「行かなくちゃ……」
「あーダメだ! お前はここにいろ!」
「俺も行く……じっとしていられるかよ!」
「昇!」
シェダルは俺の肩を掴んで訴えかけた。
「お前……少しは自分の身体を大切にしろ」
「……」
「これでお前に何かあったら、私は……」
シェダルは悲しい顔で俺を見つめる。
……なんだよ、もう。
「……分かったよ、前に約束したし」
「……ならいい」
シェダルはそう言うと、俺を抱えて、部屋へと連行した。
部屋に着くと、俺はベッドに寝かされた。
「……じゃあ、すぐ戻るからな」
「あぁ……気をつけろよ」
「お前も……気をつけろよ」
「あぁ……」
シェダルはそう言って、外へと出た。
「シェダル……大丈夫だろうか?」




