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閑話 住宅

 昇たちが喫茶店に訪れる少し前、とある家。


「ちょっと外出てくる」

「行ってらっしゃい」


 とある家で、男が外に出てくると言って玄関を出た。

 妻である女は男を見送るが……女はどこに出掛けるのか察しがついていた。

 目的地は……。


「……頑張ってね、国の為に」


 男は自衛隊員で、駐屯地に行くために外に出たのだ。

 自衛隊において、任務のことを口外するのはご法度である、家族も例外ではない。

 妻は夫が任務に向かうことを察していたのだ。


「貴方……不安だわ……」


 最近のヒューモンスター事件で、自衛隊の活躍も増えてきた。

 女は夫がそれによって命を落とすのではないかと不安になっていたのだ。

 テレビでは連日、ヒューモンスターの事件を取り扱っている。


『一般人も狙われて……不安ですねぇ』

『明日は我が身、皆さんも、外出する際には十分ご注意ください』

「はぁ……貴方……大丈夫かしら?」


 そんな不安に駆られていると、見ていたテレビが突然止まった。

 女は動揺し、辺りを見渡した。

 すると、窓から一人の少女が出てくる……カルデナだ。


「やぁ、お邪魔しまーす」

「な、なんですか!?」


 女は動揺して、その場に腰を落とした。

 カルデナは隙をついて、女の腕に腕輪を嵌めた。

 女は腕を抑え、苦しみだした。


「さぁ、教えて! 貴方の望みは?」

「うぅ……私は……あの人を……連れ戻したい……」

「そっかぁ! なら叶えてあげるよ! はいこれ」


 カルデナは歪んだ携帯電話を見せた。

 女はその携帯電話を苦しみながら受け取った。


「じゃ、ボタンを押して腕輪に嵌めてね! そしたら叶うから! じゃーねー!」


 カルデナはどこかに消え……止まっていたテレビが動き出した。

 女は静かに立ち上がった。


「待っていてね……貴方……」


 女は携帯のボタンを押した。


『メガルホーネット!』


 不気味な音声がモンスターの名前を読み上げ、女は携帯を腕輪に嵌めた。

 女は苦しみだし……体が脈打ち、蜂と人間を掛け合わせたような怪物に変貌した。


「今……迎えに行くよ」


 女は玄関を突き破り、目的地へ飛び去った。

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