表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

193/408

第百五十五話 砂糖は茶色く、君は君らしく

「それよりコーヒー飲んでよ! ママが淹れてくれたんだから!」

「あ、うん」


 俺は脇にある砂糖を取った。

 ……あれ?


「この砂糖、茶色くね?」

「茶色い方が甘いし健康にも良いの! ママがそう言ってた!」

「へぇ~」


 白い砂糖しか見たことなかったので、少し驚いてしまった。

 料理の素材にうるさい叔父さんは使ってるのかな? 間近で見たことないから分からないけど。

 翔琉を見ると、ブラックのまんま飲んでいた。

 これはいけない、こういうところで男なのかそうじゃないのか、が分かれるのではないか?

ここは俺も……。


「……苦っ!」

「おいおい昇……無理しなくていいんだぜ?」

「昇くん、無理しなくていいよ! ウチも砂糖入れるし!」


 気を使わせてしまった……というかこの状況、砂糖入れようとしたけど、翔琉の真似して失敗したのがバレバレじゃねぇか。

 恥ずかしい……。


「それで、話を戻すけどさ、そもそも男らしさとか大人とかって、それって誰かが決めるものだと思うか?」

「うーん……」


 そう言われればそうだけど……でもなぁ……。


「なーんだ! そんな話? 別にいいじゃん! 昇くんは昇くんで!」

「悠里?」

「何でそういう話になったのかは分からないけど……ウチは昇くんが昇くんらしくしていればいいと思うよ! そのうちそういうのは分かるって!」

「俺らしく……?」


 俺らしいってなんだ? 意味が分からん。


「それにウチらまだ高校生でしょ? まだそういうのなんて分かるわけないじゃん! でしょ?」

「まぁ……そうかな」


 高校生……か、シェダルが言うようにまだまだ俺らは子ども。

 いずれ分かると言えば、そこまで長い道ではないのかな?


「翔琉だってまだまだ子どもなところとか女々しいところあるし!」

「お、おい……」


 翔琉が……子ども?


「気になるな、それ」

「でしょ? 実はねーこの間遊園地にデートした時―……」

「お、おい悠里……」


 悠里が話そうとしたその時、店内で流れていたラジオの音楽が、急に止まった。

 突然の事に、俺たちは黙ってしまった。


『速報です、モンスター人間の情報が入ってきました、場所は……』

「翔琉! 悠里!」

「おう!」

「任せて! ママ! ちょっと行ってくる!」


 俺たちは外に出た。


「そういえば、愁と薫にも……」

「あの2人はまだ入院中! ウチは大したことなかったけどあの2人は結構怪我が酷かったから……」

「そうだった!」

「まぁいい! 俺たちだけで行こう!」


 翔琉はポケットからマシンラビットを取り出す。

 ……ちょっと待て。


「これ2人乗りだから俺乗れなくね?」

「転移スキルの鍵は?」

「シェダルしか持ってないんだよ……。」


 すると、携帯の着信音が鳴る……俺のだ。


『昇! 今どこだ?』

「シェダルか!? 今悠里の喫茶店の前!」

『住所を言ってくれ! そこまで向かうから!』

「お、おう! 場所は……」


 俺はシェダルに住所を伝える。

 早くしないとヒューモンスターが……。


「俺たちは先に行こう!」

「うん! 昇くん! 先行ってるよ!」


 2人は現場に急行した。

 俺はその後姿を見つつ、シェダルを待った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ