第百五十三話 男らしさ、一体なんだ?
『続いてのニュースです、相次いで起こっているモンスター人間事件、先日逮捕されたのは、飲食店アルバイトの『小幌四郎』容疑者です、小幌容疑者は、これまで犯行に及んだ容疑者とは違い、スキル社会肯定運動に参加していた模様です』
「また物騒なニュースだな」
居間のテレビでは、夜のニュースがやっていた。
昼にラーメン屋行ったときは、店主さんは明るめに対応してくれたけど、やはり自分の所で働いていた人が逮捕されるってショックがデカいだろうな……。
『総理! 今現在、国民が危機に陥っています! どのように対応されるおつもりですか!』
『引き続き、警察並びに、冒険者ギルドの皆様に協力をお願いし、迅速に対応策を模索している最中にございます。』
『総理! それでは遅いのですよ! 今こうしているうちにも! 一般国民がモンスター人間に変身してしまい、無差別殺人を行う可能性だってあるんですよ!』
映像が国会中継に切り替わった。
やはり未知の脅威に対しては、どうするか手探りで探すしかなさそうだな。
『一方で、警察及び冒険者ギルドは、怪しい腕輪や携帯電話を受け取らないようにと、注意を呼び掛けています……』
「物騒だねぇ、昇くんもシェダルちゃんも、怪しい人から物を受け取っちゃダメだよ!」
「叔父さん、別に俺たち子どもじゃないんだから……」
「お前は子どもだ、昇」
「はい……」
シェダルにそう言われると何も言えない……。
なんやかんやあって、激辛麻婆豆腐を食い終わった。
再び感謝の気持ちを言って、風呂に入る準備をする。
そして例によって……。
「昇! 入るぞ!」
「お前そろそろ一人で入れよ! 子どもだのなんだの言ってる割に自分は一人で風呂にも入れないじゃねぇか!」
「いいから早く!」
「お前、服引っ張るなよ! セクハラだろそれ!」
「子どもだから問題ない」
「だからなんだよそれ!」
全く……男らしさとか大人とか、一体何なんだ?




