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第百五十一話 叔父さん帰宅、特撮を観る

「ただいまー! 昇くん! シェダルちゃん!」

「叔父さん、おかえり」

「おかえりなさい、卓郎さん」


 ラーメン屋で飯を食って鍵屋に戻った後、シェダルが「ジョーカー電撃隊」なる古い特撮作品のDVDを買ったから一緒に観ようとかいって、気が付いたら夜になっていた。

 古い特撮なのに結構面白かったかな、ガバガバなところもあったけど……。


「お! それジョーカー電撃隊!? 懐かしいねぇ、叔父さんも子どもの頃よく見てたよ~」


 叔父さんがパッケージを見てそう言った。

 ……そういえばこれ、叔父さんの世代のやつか。


「特に最後の方に出てくる『ビッグゼロ』ってキャラが好きだったなぁ」

「私も! そのキャラが大好きです!」

「おお! シェダルちゃん気が合うねぇ」


 えぇ……? ビッグゼロ?

 あのキャラ30話近くで急に出てきて、司令官を追い出した挙句、主人公の筈の『スピードエース』を食いまくってるキャラじゃん……まぁ俺も嫌いじゃないけどさ。

 もうちょっと自重してほしかったなぁ。


「でもこの番組、叔父さんの同世代の子でもあんまり見てる子少なかったなぁ。」

「えぇ!? そうなんですか!? こんなに面白いのに!?」

「いやね、これの前にやってた『秘蔵戦隊ゴレンダー』っていう、いわば元祖的な作品が凄くウケててねぇ、この作品、最初の方結構ハードだったでしょ? 叔父さんは好きだったけど、子どもには難しかったのかなぁ」


 確かに、最初の方は結構ハードで大人向けな内容だった。

 10話辺りから制作サイドが子供ウケしないことに気づいたのか、段々今のシリーズに近い感じになってきた感じがある。


「よくよく考えれば、この作品、30数話しかなかったなぁ、ちょうどビッグゼロが登場してすぐくらいに終わってしまった……」


 シェダルはパッケージを眺めながらそう呟く。

 めちゃくちゃガッカリしてる表情だけど、そんなに面白かったの? ……まぁ俺も楽しんだけど。


「ま、そんなわけで! 今からご飯作るからねー!」


 叔父さんはそう言って、台所へと向かった。


「昇! 次はこの『警官戦隊ポリレンジャーVS泥棒戦隊コソドレンジャー』を観るぞ!」

「まだ観んのかよ……別にいいけどさ」


 シェダルは円盤を再生器に入れた。

 まぁ面白いし、シェダルが楽しそうだからいいけど……。

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