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第百五十話 シェダルがしゃがむ、俺をおんぶ!?

「ほら」

「な、なんだよ……」


 シェダルはしゃがみこんで、自身の背中に俺を誘導しようとしていた。


「おんぶだ、その体じゃ、転移ホールに入りづらいだろう?」

「いいよ! 恥ずかしいから……」

「ダメだ、乗れ」

「だから子ども扱い……」

「お前はまだ子ども、だろ?」

「はいはい……」


 俺は誘導に従い、シェダルの背中に乗っかった。

 相変わらず、シェダルの体は暖かい。

 鼻の近くにはシェダルの髪の毛があり、ほのかにシャンプーの匂いが……って、俺変態かよ!  つーかなんでこの状況でいやらしい妄想してんだ! 全く……情けない……。


「さ、行くぞ! 一旦片足を地面に置け」

「お、おう……」


 俺は言われた通り、片足を地面に置いた。

 シェダルは自身の脚の間に挟んでいた杖を取り出し、転移ホールを作った。


「さ、行くぞ!」

「あぁ……」

「くれぐれも吐かないようにな、私が悲惨なことになる」

「吐くわけねぇだろ!」

「ふふふ……」

「全く……」


 好きな女に向かって吐くとか最低だろうが……分かってて言ってるのか?

 シェダルは再び俺の両足を掴み、転移ホールへ飛び込んだ。



「よし! 鍵屋に到着だ!」

「おう……」


 やばい! 酔い止め薬切れたみたいだ! 吐きそう!


「早く降ろして!」

「なんだ? 恥ずかしいのか?」

「そうじゃなくてガチで酔って……」

「あぁ、すまん」


 シェダルが俺を降ろしたと同時に、俺はトイレに急行した。

 そこで何があったかは割愛するが、まぁお察しである。


「おぇぇ……」

「ははは! 大丈夫か?」

「はははじゃねぇよ! ……大丈夫だ」

「そうか! なら良かった」


 シェダルは変わらず笑顔を見せる。

 全く……この調子で俺は一人前の男になれるのだろうか……?


「さて、今日は卓郎さんはいないみたいだし! 前行ったラーメン屋に行こう」

「お、おう!」


 ここは男を見せるチャンスだ! 俺が全額払えば……

 そう思って財布を確認すると……。


「……やべぇ」


 そういえば使うの勿体ないと思って引き出しに保管していたんだった。

 急いで取りに行かないと……。


「金が無いのか? じゃあ私のおごりだ!」

「いや! ここは男の俺が……」

「お前はまだ子どもだからそういうのは気にしないでいい!」

「だから子ども扱い……」

「さぁ行こう! ラーメン屋へ!」

「だから引っ張るなよ!」


 俺たちはラーメン屋に向かうため、鍵屋を出た。

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