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第百四十九話 剣の激励、そろそろ昼時

「この腕輪は私が開発しました、こうやって鍵を刺すと……」

「おぉ!」

「これをあなたが!? すごい!」


 2人は一連の変身動作を行うシェダルを見て称賛の声を送る。

 うん、確かにシェダルは凄い。


「ちょっと! 3人とも! 解体手伝いなさいよ!」

「おおっと……忘れるところだった、お前らこれからどうするんだ?」

「10階層を目指す予定です」

「そうか! ま、お前らなら大丈夫そうだな! 道中気を付けろよ! 一瞬のスキで命を失うことだってあるんだからな!」

「あ、ありがとうございます……」


 剣さんは俺たちに激励を送った。

 一瞬のスキか……プロにそう言われると、なんか緊張する。


「じゃあな! 頑張れよ! 同志諸君!」

「さよなら!」

「また会いましょう!」


 そう言って3人は春香さんの所へ走っていった。


「さ、私達も行くぞ、昇」

「お、おう!」


 さっきは剣さんたちの事、悠々自適にやってるなんて思ってたけど、期待の新人を仲間に加えて教育したり、回復スキルの人を取り入れて9階層まで来ているということは、結構頻繁に入っているのだろうか?

 そら冒険者の仕事はそれだけど……あの2人は入る必要があるのか?

 まぁ人の事をとやかく言うのは良くないけれど……。

 俺たちは4人を後にし、先へと進んだ。



「はぁはぁ……」

「頑張れ昇! あと少しだ!」

「はぁはぁ……本当に?」

「そうだ! 頑張れ!」


 俺はもう疲れ果てていた。

 早くこのクソ暑い空間から抜けたいという思いが頭からつま先まで感じている。

 シェダルはあと少しだっていうけど、その少しがめちゃくちゃ長く感じる。

 シェダルはこの状況下でも、全く疲れている様子はない。

 寧ろこのまま最下層である第15階層まで行ってしまうのではないかという勢いだ。

 流石にウトピアで鍛えられた者と、ダンジョン初日でへっぴり腰で逃げて、腕輪でようやっと戦える男と比べるのは良くないな……。


「よし! 第10階層前! 到着だ!」

「……え?」


 本当に……? マジで……?


「ここまでよく頑張ったな! 昇!」

「あ、ありがとう……」


 意外とあっさり着いてしまった。

 はぁ……ようやっとこの空間が終わる……。


「じゃあこのまま……」

「待て、もうお前はヘトヘトだ、とても戦える体じゃない……」

「いいって! シェダルはまだまだ行けるだろ? 俺も行く……」

「馬鹿か! 私だけが突っ走っても意味はないだろう! それに昼飯も食ってない、どこかで食べに行こう、な?」

「あ、あぁ……」

「よし!」


 シェダルは俺に無理をさせまいと、昼飯の提案をする。

 そういえばここに来てから何も食ってないな……。

 ここはシェダルの言う通りにしよう。


「さ、出るぞ!」


 そう言ってシェダルは転移スキルの鍵を出した。


「お、おう……」

「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 移りたすぎる! 転移スキル!』


 シェダルは転移スキルの姿に変身した。

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