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第百四十三話 まさかの二度寝、準備はOK!

「……さ、このままだと二度寝をしてしまう……ダンジョン探索を続けるか?」

「あ、あぁ……」

「ふぁー……でも、まだなんか眠いな……」

「お、おい……」


 シェダルは再び、俺を強く抱き締める。


「すまないが……もうしばらく寝させてくれ……」

「お前さっき二度寝がどうこうって……」

「なんだ? 好きな女が悪夢に魘されているのを放っておくのか?」

「……それは反則だろ」

「ははは……じゃあ……今一度私を守ってくれよ……」

「あ、あぁ……」


 シェダルは再び寝息を立て始めた。

 まさかの二度目の依頼だが、これもシェダルの為だと考えると、苦では無かった。

 俺はシェダルの寝息につられ、目を閉じた。



「ふぁー……よく寝た!」

「……」


 二度寝をして、俺たちはベッドから起き上がった。


「にしてもお前、抱き締める力が強すぎだ、私じゃなかったら今頃背骨がボロボロだぞ?」

「あ、ごめん……」

「そうガッカリするな! お前の愛情が伝わってよかったぞ!」

「だからそういう事言うなって……」


 シェダルは未だ顔が熱い俺をからかう。

 全くシェダルは……嫌じゃないけどさ。


「さ、よく寝てスッキリしたところで、探索を続けるとするか!」

「お、おう!」

「さぁほら!」

「引っ張るなっての!」


 俺たちは、新たな場所を求め、神殿の外へと出た。



「もうここまでは余裕だな! 昇!」

「おう!」


 安息の地から出た後、再び進み始め、今はもう第9階層の入り口のすぐ近くだ。

 ここまでのステータスも確認しておこう。


「ステータスオープン!」


 俺は携帯のステータスアプリを呼び出した。


------

金剛 昇

NOBORU KONGO


国籍 日本国

スキル 鍵

レベル 73


在籍 県立祇園高等学校

所属 冒険者ギルド

------


 さっきよりも3レベル上がったのか。

 ……まぁ、こんなもんだろう。

 ここからは第9階層、これまでよりも強めのモンスターが出るだろう。


「用意はいいか?」

「もちろん!」

「よし!」


 シェダルと俺は、気合を入れるために、お互いの拳を合わせ、その後、もう片方の手をハイタッチの要領で合わせた。

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