表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

166/408

第百三十六話 写真スキル! 眩しすぎる!

「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 写したすぎる! 写真スキル!』


 俺の体が光を放ち、ヴァンバットは自身の羽でそれを遮った。

 俺の目線は暗くなる……一体何が?


「うおー! すごいな! ほれ昇、写真撮るぞ!」

「だから撮るなよ!」


 シェダルは携帯をこちらに向け、俺の個人撮影会を始めた。


「ほれ、これがお前だ」

「……案の定金髪かよ」


 俺は目に付けていた暗闇を外して、シェダルの携帯を見る。

 シェダルが見せてきた俺の全体像は、まるで明治時代の華族のような服装だった。

 正装にシルクハット、社会の教科書で見たことあるような姿だ。

 そしてサングラスを掛けていた……服装と比べてアンバランスすぎる。

 片手には、巨大なライトをつけた古い一眼レフを握りしめていた。


「よし! 奴に光を!」

「おう!」


 俺は刺している鍵を回し、必殺技の用意をする。


『写真スキル必殺!』


 そんな音声が、ダンジョン内をこだまする。

 カメラのフラッシュに光が溜まっていくのが分かった。

 奴は、怯みから解放され、こちらに向かって突撃する準備を始めていた。

 それを見た俺は、すかさずもう一度鍵を回した。


『写真スキル! 写したすぎフィニッシュ!』


 俺は奴に向けてカメラのシャッターを押した。

 すると、サングラス越しにも眩しい光がフラッシュライトから放たれた。

 ダンジョンは一瞬、真昼のように明るくなった。

 奴はその攻撃で完全に戦闘不能になったように見えた。

 フラッシュの灯りで奴は力を失い横になっていた。


「今だ! 鍵を変えてとどめを差せ!」


 シェダルに目をやると、いつの間にかサングラスを掛けていた。

 ……準備が良いな。

 俺はケースから再び弓スキルの鍵を取り出した。


『弓スキル!』

「スキルチェンジ!」


 俺は鍵を刺して、勢い良く回した。


『スキル解放! 射抜きすぎる! 弓スキル!』


 俺は弓を装填し、そのまま鍵を回す。


『スキル必殺!』

「行くぜ!」

『弓スキル! 射抜きすぎるフィニッシュ!』


 光の矢を放ち、奴の脳天目掛けて発射した。

 矢はそのまま奴の体を貫通し、緋色の噴水を作って絶命した。


「うげぇ……でも、一応勝った!」

「おめでとう! 素晴らしい戦いだったぞ!」

「お、おい! 抱き着くなって!」


 シェダルは抱き癖を発動させ、俺の体を包み込んだ。

 嬉しい……けど恥ずかしい! 剣スキルの時みたいに血まみれじゃないから汚れずに済むけどさぁ……

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ