第百三十二話 ダンジョン到着! 決めポーズ!
「よっと」
「うぅ……」
酔い止め薬は飲んだが、やはり連続で転移ホールに入るとキツい……。
シェダルは転移スキルの鍵を抜き、鍵スキルの鍵を取り出す。
「さ、お前も!」
「お、おう……」
俺も腰のケースから鍵を取り出す。
「気合入れろ!」
「おいおい……」
シェダルは両手で反時計回りに円を作り、腕を十字にしてポーズを決めていた。
懐かしいな、と言っても国会議事堂行くときもやったけど。
仕方ない……やるか。
俺は時計回りに円を作り、ガッツポーズをする。
「「スキルチェンジ!」」
俺たちは腕輪に鍵を刺した。
『『スキル解放! 凄すぎる! 鍵スキル!』』
聖堂の中に、金の鍵使いと銀の鍵使いがそれぞれ武装を始めた……なんかこれも久々な気がするな。
「さ、行こう!」
「……そういえば、このダンジョンの最下層っていくつ?」
「そうだなぁ……確か15階層だった気がする、まぁまぁな部類だな」
「そっか……じゃあ目標は10階層の手前かな!」
「お、以前よりもかなり自信がついたようだな!」
「そりゃもう、ヒューモンスターと戦っているわけだし!」
「……だな!」
あの強敵たちと戦える俺ならいける気がする!
……まぁ、翔琉たちの協力もあったけど……。
そう考えると不安になるな……。
「どうした? いきなり不安顔になって」
「いや……よくよく考えたら、ヒューモンスターの事件、俺攻撃しただけで指揮とかはシェダルや翔琉だったなって……」
「別に攻撃ができれば十分それでいい! 援護は私たちに任せればいいんだ! 前にも言ったが自信を持て!」
「……あ、あぁ!」
目標は10階層と決めた以上、行くしかないか!
「そういえばステータスは……っと、ステータスオープン!」
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金剛 昇
NOBORU KONGO
国籍 日本国
スキル 鍵
レベル 62
在籍 県立祇園高等学校
所属 冒険者ギルド
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……あれ? 思ったより上がってない?
「なんだ? あんまり上がってないな」
シェダルが携帯を覗き込んで言った
「なんでだろう?」
最後にダンジョンで戦ったのはあの蜘蛛野郎の時だよな?
あ、そうか! あの蜘蛛はテイマースキルでシェダルが操っていたからカウントされてないのか。
その後ヒューモンスターと戦ったけど、これもカウントされてないっぽいな、まぁ人間が変身してるし、生きてるし……。
最後に確認した時は確か58……なんだ? この微妙な伸びは。
「あぁ! ヒューモンスターから人を解放したから善行としてカウントされたんじゃないか?」
「あー……」
なるほど、その伸びか。
……何気に善行でレベルが上がるのは初めてだから嬉しい。
「さぁ、レベルを確認したところで、行くぞ!」
「お、おう!」
俺たちはダンジョンへと走りだした。