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第百三十一話 デカい企業、ダンジョンへ行こう!

「それよりも昇、聞いてもいいか?」

「何?」

「ここから見える……あのデカいビルはなんだ?」


 シェダルは、ここからかなり離れてはいるが、それでも半分より上が見える、巨大なビルを指差した。

 そのビルは、高くても3階建てのビルが多く点在するこの街では、かなり浮いている存在だった。


「あぁ、あのビルか、あれは『セントレアコーポレーション』のビルだよ」

「セントレアコーポレーション?」

「ちょうどこの携帯とか、ステータスアプリの開発とか、冒険者の使う腕輪とかの機材開発とか……まぁデカいIT企業ってところかな、確かウトピアで設立された企業で、各国に事業展開して今や世界でも指折りの企業とかなんとか……それがどうしたの?」

「いや……」


 シェダルの奴、さっきから変だな。

 携帯がどうのこうのとか……。

 携帯? まさか……。


「あの企業がヒューモンスターの腕輪と携帯を作ったとか? そりゃないだろ、そんなん作ってどうするってんだ? むしろそんな怪しい物作ったとなりゃ、会社の信用がガタ落ちになるだろ」

「確かにそうだが……うーむ」


 シェダルはどうやらセントレアコーポレーションを疑っているようだった。


「冒険者の使う腕輪や、お前の持っている携帯電話に中に入ってるアプリ……シェアはどのくらいだ?」

「さぁ……携帯はともかく、腕輪やアプリはほぼ90%じゃないか? 他の企業のアプリは聞いたことが無いし、腕輪に至ってはウトピアの技術が無いと作れないだろ」

「……やはり、怪しい」

「何が?」

「いいか? あのモンスター化する現象……あれは剣さんや春香さんも使っている冒険者が変身に使う腕輪とほぼ同じ原理だ、あの携帯は電源ボタンを押すと強制的にアプリが起動し、その腕輪に刺すと中に入っているモンスターのDNAが腕輪を通じて体内に入る仕掛けだ。」

「それがどうしたんだよ?」

「そんなのが作れる技術、素人には不可能だ。これは明らかにプロでないと作ることができない」

「……」


 確かに、素人が一人で作れるような代物ではなさそうだが……。


「私はな、セントレアコーポレーションの誰かが、何かの目的で人間を変貌させ、混乱を巻き起こしていると考えている」

「何の目的で?」

「……わからん」

「……」


 一種の陰謀論、とも言えるが、確かに理にかなってはいる。

 だが現状、まだまだ憶測の域だ。

 何か決定的証拠があると良いんだが……。


「ま、いろいろ考えても仕方がない! なぁ、気分転換でダンジョン探索しないか?」

「気分転換でダンジョン探索ってなんだよ…」

「まぁまぁ! そろそろレベル上げでもしようじゃないか! 折角第3階層以降が行き放題になったんだし!」

「……まぁ、それもそうかな」

「よし! そうと決まればいざ行こう! 安息の地へ!」

「なんか久々に感じるな」


 ほんの数日前に行った気がするけど、その間いろいろなことがあったせいで、すごく久々に感じる。

 シェダルは転移スキルに変身し、転移ホールを作成した。

 俺たちは転移ホールに入り、安息の地へと出発した。

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