第百二十四話 ゴブリン駆除! 一度帰ろう!
「2人とも!」
「はぁ……ごめんね、昇くん……」
「私達……頼りなかった……」
「そんなことないって! 2人のアシストが無かったら駄目だったよ」
「そ、そう……?」
「なら……良かった……」
2人は見るからに過労死寸前のようだった。
すると、道路から車両の止まる音が、複数聞こえた。
「悠里! 薫!」
ウサギのバギー……マシンラビットから、翔琉が降りてきた。
「か、翔琉……」
「……翔琉さん」
「大丈夫か!? ボロボロじゃないか!」
翔琉だってレッドセイヴァーに変身してたわけだし、結構しんどい筈じゃ……。
「同志諸君! お疲れ! お前らすげぇな! また解決したか!」
車列から剣さんが現れ、俺たちを激励する。
「あとは私たちに任せて!」
「は、はい!」
後ろから春香さんも来た。
どうやらあのゴブリン集団の駆除は終わったようだ。
「さ、悠里、薫! パトカーに乗って!」
「う、うん……さ、薫ちゃんも」
「ありがとう……ございます……」
翔琉は悠里を抱えながらマシンラビットを小型化し、そのまま3人はパトカーに乗り、大通りの外へ走り去った。
「剣さん、そういえば以前連絡した件、大丈夫ですか?」
「おう! 明日辺りに届くと思うぜ!」
「ありがとうございます。」
以前連絡した件?
「おい、シェダル、なんだよその件って」
「ヒューモンスターが使う腕輪と携帯をこちらに送る話だ」
「お、おい! どうする気だよそれ! そんな危険な物、鍵屋に持ってくんじゃねぇよ!」
「安心しろ、解析して構造を調べるだけだ、誰だか知らないが、こんなことをする奴らの目的を調べなければな……」
「……」
あんなのを配布する奴らの目的、確かに、探らなければな。
ヒューモンスターの変身者の男性に目をやると、そのまま警察に抱えられ、連行されていた。
「さ、後は警察に任せて、私たちは一旦帰ろう!」
「あ、あぁ!」
シェダルは転移スキルに変身し、ホールを展開した。
「そういえば、お前、いつもの吐き気はどうした?」
「あ、そういえば」
バイクスキルは凄い気持ち悪くなるのに、何ともない。
これはまさか……。
「酔い止め薬が効いているようだな」
「あぁ……だが、これ毎日貰うのはちょっとな……」
「薬を途中で止めたら余計に症状が悪化するぞ!」
「お、おう!」
俺はシェダルに引っ張られ、ホールの中に入った。