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第百二十話 バギーとバイク、俺もバイク

「よし! 行こう! スキル実装!」

「「スキル実装!!」」

「スキル……実装」


 待機音がうるさく鳴り響き、4人は各々の武器に携帯を嵌めた。


『剣スキル、アームド! チャンチャンバラ! レッドセイヴァー!』

『弓スキル、アームド! レディゴー! グリーンアーチャー!』

『鎚スキル、アームド! キラフルミラクル! ブルーハンマー!』

『魔法スキル、アームド! マージマジ! ヴァイオレットマジシャン!』


 4人は戦士の姿に変身した。


「レッドセイヴァー!」

「ブルーハンマー!」

「グリーンアーチャー!」

「バイオレット……マジシャン!」


 ……例によって、ポーズを決めて掛け声を言う。


「……何やってんだ?」

「その格好とその音声……何?」


 剣さんは珍しく困惑する姿を見せ、春香さんは姿と一連の音声にドン引きしていた。

そりゃそういう反応にもなる……格好についてはこの2人も大概だと思うが。


「私達も行くぞ! 昇!」

「お、おう!」


 俺たちは腕輪に鍵を刺し、鍵スキルの姿に変身した。


「よっしゃ、行くぜ!」

「みんな! 怪我しないようにね!」


 俺たちは返事をし、規制を突破して前進した。



「うわぁ、めっちゃいる……」

「ここを突破しないと無理そうだな……」


 大通りを進むと、ゴブリンの大群が道を塞いでいた。

数は……少なくとも30はいる。


「よし! ここは俺と春香に任せろ!」


 剣さんが剣を構え、戦闘態勢に入った。


「ここは大人の私たちがビシッと決めないとね!」


 春香さんも矢を装填し、戦闘態勢に入る。


「よし、2人が道を作ったらバギーとバイクで突っ切るぞ!」

「おう!」

「……わかりました!」


 翔琉と薫はマシンラビットとマシンホークを出現させ、翔琉と悠里、薫と愁のチームで乗車した。

……ちょっと待て。


「シェダル、俺たちは?」

「決まっているだろう!」

「……は?」


 シェダルは俺のケースを弄り始め、一つの鍵を取り出した。

……まさか。


「だからそれ嫌だって言っただろ!」

「四の五の言わずに刺さないか!」

「おい!」


 シェダルは俺の腕輪から鍵スキルの鍵を外し、「持ち手に車輪が描かれている鍵」を刺した。

 そう、この鍵は。


『バイクスキル!』


 あぁ、もう! 酔い止め薬が効いてますように!


「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 走りた過ぎる! バイクスキル!』


 俺の体が丸まり、バイクの姿になっている……筈だ。

 例によって前しか見えない。


「えぇ!? 昇、なんだその格好!?」

「えぇ!? これ昇くん!? キモ!」

「お前その体制辛くないか?」

「……キツそう」


 4人は驚愕の声を上げた。

 そらそんな反応にもなるわ、キモくはないと思うが。


『俺だってこの格好嫌だよ!』

「そうかぁ? 俺はカッコいいと思うが」


 剣さんが褒めてくれたが、嬉しいと思う反面、そういう問題なのか聞きたい。

 というかこんな金銀ギラギラのバイク、カッコいいのか? シェダルと剣さんってセンスが似ているのか?


「ごちゃごちゃ言ってないで、行くぞ!」

「えぇ!? シェダルちゃんが運転すんの!?」

「今は緊急事態だ!」


 シェダルはノーヘルで運転するようだ、事故らないことを祈ろう。

 まぁでも、ダンジョンでも事故らなかったし、大丈夫だろう……多分。


「なんかすごいことになってるが、行くぞ! 春香!」

「うん!」


 2人が突撃していく姿が、俺の目線からも分かった。


「よし! 道が出来たぞ! フルスロットルで行くぞ!」

『安全運転で行けって!』

「だから緊急事態だ!」


 俺の警告に耳を貸さず、シェダルはアクセル全開でゴブリンの間を駆け抜けた。


『うわああああああ!?』

「風が気持ちいいな!」


 そんなこと言ってる場合かああああああああ!?


「俺たちも後に続こう! 薫!」

「……うん!」

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