表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

144/408

閑話 出動

「モンスター人間に継ぐ! 今すぐ立ち止まりなさい!」


 前進するゴブリンヒューモンスターに対して、警官隊はそう叫ぶ。


「うるさい……やかましい……ぐわあああああああ!!」


 ゴブリンヒューモンスターが咆哮を上げると、地表から禍々しい大気が沸き上がった。

警官隊は咄嗟に銃を構えた。


「繰り返す! 直ちに止まりなさい!」

「け、警部……あれは……」


 一人の警官が大気を指差す。

 すると、巻き上がっている大気が徐々に一点に集まり、それが人型になっていく。

 警官達はそれらに警戒しながら銃を構えた。

 やがて、その人型は、冒険者にとっては見慣れている生物に変貌する、警官も、資料で知っている者が多くいる生物だ。


「あ、あれは……」

「ゴブリン……の、子ども?」


 巻き上がった大気が小さいゴブリンたちに変貌したのである。

 警官達はその数の多さに焦り始める。


「ここはまずい! 退却! 退却!」


 警官達は乗ってきたパトカーを置いていき、立て直すために距離を置き始めた。

 ゴブリンヒューモンスターは数多くの子どもを引き連れて、目的の場所へと足を進めた。


「これもこの社会を守るためだ……」



『先ほどからお伝えしている通り、モンスター人間出没との情報です! 付近にいる方は命を守る行動を優先してください!』

「翔琉!」

「おう!」


 翔琉と悠里は、街頭ニュースを見て、現場に向かう決意をする。

 付近には既に市民が逃げおおせていた。

 翔琉はウサギの像に鍵を嵌め、マシンラビットに変形させる。


「行こう! 悠里!」

「もち!」


 二人はバギーに乗り込み、現場へ急行した。



「やべぇよ……どうしよう……」


 愁は家でテレビを観て、一人で混乱していた。

 愁の両親は共働きで、家には彼しかいなかった。


「早く現場に行かなきゃ……でも……」


 愁は現場に行こうとするも、なかなか勇気が出なかった。

すると、インターホンの鳴る音が、固定電話を通じて鳴る。

 愁は受話器を取り、それに応答した。


「は、はい?」

「愁さん……現場……行く……」

「か、薫ちゃん!?」


 愁は子機を戻し、慌ててブルーハンマーを持ち、玄関を開ける。


「うおあ!?」

「……驚いてる……場合じゃない」


 薫はヘルメットを被った状態で愁を出迎えた。


「早く……付けて……行く」

「は、はひ!?」


 愁は手渡されたヘルメットを被り、薫が既に玄関前に停めていたマシンホークの後ろに乗る。


「じゃ……飛ばすよ……」

「お、おう!」


 薫はマシンホークに跨り、間髪入れずにフルスロットル状態にした。


「か、薫ちゃん! 安全運転!」

「それじゃあ……間に合わない!」


 二人は現場に急行した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ