表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

140/408

閑話 暗闇の微笑

『ウチの子はそんな真似をする子じゃないんです……とっても優しい子で……』


 暗闇の中、青白い光だけが、光っていた。

その青白い光をまっすぐ見つめる男がいた。

ヒースだ。


『一昨日起きた、県立祇園高校モンスター出現事件で逮捕された男子生徒の両親が、先ほど、報道陣を交えた会見を開きました、両親は、「息子はそんな事をしない、警察のでっち上げだ」と話しました』

「ふふふ……自分の勢力を煽る為に、こんな馬鹿げたことをするなんて……本当に面白い」


 ヒースは彼らが反スキル社会活動家の一員であることを既に知っていたのだった。


『はい、というわけなんですけれども、実は、私たち独自で、この男子生徒の小学校の頃の同級生に取材をしました、同級生によると「この男子生徒は、自分をからかった生徒に対して、廃人になるほどに暴行を加え、周囲にも友達がいなかった」と語っています……』

「悲しい奴だ、だが、自業自得だな」


 ヒースはそんなことを言いながら、不気味に笑った。


『現在、少年が拘留されている少年鑑別所前では、反スキル社会活動家が、抗議デモを繰り広げています』


 テレビの映像が切り替わり、少年鑑別所前のデモ隊の映像になる。


『少年を解放しろー!』

『少年は無実だ―!』

『警察は未成年を捏造の道具に使うなー!』


 また映像が切り替わり、スキル社会反対派と肯定派、そして機動隊との三つ巴戦の映像に切り替わった。


『また、現場では、スキル社会肯定派が妨害のために押しかけ、機動隊が……』


 ヒースはテレビを消し、次の計画に使う腕輪と携帯電話を出した。


「カルデナ、いるかい?」

「はーい! なぁに?」


 暗闇の奥から、カルデナがスキップをしながらやってきた。


「これをお願いできるかな?」

「やったぁ! またお使いだね! 次はどんな人?」

「次はねぇ……」

「……わかった! じゃあ、行ってきまーす!」


 カルデナは暗闇の奥へと消えていった。


「ふふふ……次はもっと混乱するだろう……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ