第十二話 謎の光、いきなりピンチ!?
『スキル解放! 凄すぎる! 鍵スキル!』
そんな音声が広間に響き渡り、俺の体は光に包まれた。
光に包まれた俺は、この場所へ初めて来た時と同様に、目を瞑り、腕で光を遮った。
目を開け、下のほうを見ると、明らかに俺の体格とは合わないコートに身を包み、右手にデカいドライバーのような槍(?)を装備していた。
「なんなんだ? 俺は一体どうなったんだ?」
前を見ると、ゴブリンが先ほどの俺と同じような体制をとっていた。
ふと後ろにあった神鏡を見ると、俺の髪型が金髪になっていて、全身が露になった。
「これが!? 俺!?」
鏡に見とれていると、俺の後ろから、ゴブリンが襲い掛かるのが見えた。
不意に持っていたドライバーを後ろに向かって振ると、ゴブリンにダメージが通ったのか、大きな切り傷ができていた。
「もしかして……いけちゃったりするのか?」
謎の自信がついた俺は、ドライバーでゴブリンを攻撃しまくった。
振り回して、刺して、振り回して、また刺して。
ゴブリンの血液が金色のコートを汚すが、今は汚れの心配をしている場合じゃない。
「これでとどめだ!」
俺は渾身の力を込めて、ドライバーを突き刺した。
すると、ゴブリンは呻き声を上げ、徐々に力が無くなっていった。
ドライバーを抜き取ると血まみれになっていた。
「うげぇ……」
俺は思わずそう呟いた。
すると後ろから突然、鈍い音が鳴り響き、俺は膝から倒れた。
起き上がろうとして正面を向くと、存在を忘れていたもう一体のゴブリンがいた。
先ほど倒した奴とは違い、棍棒を装備していた。
「やべぇ!」
俺はとっさに奴の足の間から抜け、外へと走った。