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第百十五話 車検の支払い、俺らは転移

「これが私の発明品! 『マシンラビット』と『マシンホーク』だ! 特許出願中だ!」


 特許出願中って……まぁ確かに画期的ではあるが。

ん? ちょっと待てよ。


「おいシェダル、これ公道走って大丈夫なやつなのか?」

「既に車検は通した! ほら、ナンバーがついているだろう?」

「あ、ほんとだ」


 ちゃんと後ろにはナンバープレートが付いている……が、これはこれで新たな問題が生じている気がする、そうだ。


「車検の支払いとかどうするつもりだ?」


 ナンバー登録したってことは税金やら車検やら掛かる筈だ。

叔父さんも車が欲しいけどその辺がどうのこうの言ってたし。


「あぁ、その辺については心配するな、私が払っておくから」

「どこにそんな金があるんだよ?」

「ダンジョンで回収したモンスターの素材だ」

「あー……ってちゃんと換金してんなら俺にも……」

「大丈夫だ、まだ一銭も使ってない、今日振り込まれる予定なんだ、ちゃんと渡すよ」

「……ならいいけど」


 こいつ、いつの間に換金したんだ?


「いやぁ、インターネットとは便利なものだな! 換金もすぐできる、その分振り込みが遅い気がするが」


 インターネットかよ! こいつ数日前に目覚めたばっかりなのに適応が速すぎるだろ……。


「いやいや、シェダルちゃん、ここは俺に払わせてくれ、折角譲ってもらったんだから、礼ぐらいしないと……」

「そうか? ならお言葉に甘えて」

「2つ分払ってあげるよ、いいかい? 薫」

「……ありがとう」


 随分太っ腹だな、こいつにはもう頭が上がらないかもしれん。


「それに、このバギーめっちゃかっこいいし! これをタダで貰えるなんて忍びないよ!」


 ……なんか、不思議と翔琉の目が輝いている気がする。

乗り物好きなのか?

……というか、このマシン、どこからインスパイア受けたんだこれは?


「よし、悠里! 家まで送るよ!」

「やったぁ!」

「……愁さん……家どこ?」

「あ……桐生地区の方だけど?」

「……近いから送る」

「あ、ありがとう」

「あぁ、ヘルメットはちゃんと被れよ! ハンドルのボタンを押せば出てくるから」


 翔琉と薫がボタンを押すと、ハンドルの左右からヘルメットが出現した。

うお!? すげぇ!


「んじゃ、今日はありがとな! 昇! シェダルちゃん!」

「バイバーイ!」

「それじゃあな!」

「……またね。」


 4人は俺とシェダルに向かって手を振り、街へ向かって走り去った。

俺は自然とその手を振り返した、奴らが見えなくなるまで。


「それで? 見たところによると、仲直りできたようだな? 笑みが出てるぞ?」

「え!? ま、まぁな!」

「何か言うことがあるんじゃないか?」

「あ、えーっと……」


 確かに奴らとの関係が改善(?)できたのはシェダルのおかげだけど……なんて言えばいいんだよ!?

 普通にありがとう? いやでもそれだけじゃ足りないような……。


「ふふふ、まぁいい、私はお前の笑顔が見られただけでも嬉しいからな」

「そ、そうかよ!」

「ほぉーれ、いい子いい子」

「頭撫でんじゃねぇよ! 子どもじゃないんだから」

「いいからいいから……よーしよし、いい子だ。」


 シェダルは俺を犬みたいに扱っている。

あぁもう! ……ちょっと嬉しいけど。


「……まぁでも、ありがとな! でも今度は普通にやれよ! あんな目は二度とごめんだ」

「分かっているさ、さぁ、私たちも帰ろう、卓郎さんが家で待っているかもしれん」

「お、おう!」


 シェダルが転移スキルに変身し、ホールを展開した。

あぁ……揺れない移動手段はないものか……


「あ、あのさぁ……シェダル?」

「なんだ? またゲロ吐きたくないから入りたくないとかいうのか?」

「そう……とも言えるけど、それについて今度病院行くわ……」


 そうじゃないと言いたかったが、できる事なら入りたくないのは事実だった。


「別に慣れの問題だと思うのだがな」

「これマジで慣れないんだよ!」

「まぁいいから行くぞ!」

「うわぁ!?」


 俺はシェダルに引っ張られ、転移ホールへと入った。

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