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第百十四話 置物、乗り物

「そういえばシェダルちゃんもウチらのパーティ入ろうよ!」

「うむ!」


 全員で携帯を出し、新たにシェダルをパーティに向かい入れた。


「改めてよろしく! シェダルちゃん!」

「うむ! 一緒に頑張ろう!」


 翔琉とシェダルが握手を交わした。

シェダルがパーティに加われば、恐らく百人力だろう。


「あー! やば!」


 悠里が突然大声を出した。

今度は何だ?


「もうこんな時間! 早く帰らないとママに怒られちゃう!」


 悠里が携帯を見てそう言っていた。

 確かに、携帯に表示されている時刻を確認すると、もうすぐ日が暮れる時間だった。

ここは転移スキルで……。


「あぁ、それならちょうどいい、渡すものがまだあるんだ。いったん外に出よう。」


 シェダルがそう言って、外へと俺らを誘導した。

俺らはそれに従うように、外へと足を動かした。



「ほら、こいつらだ」

「何ぃ!? めっちゃ可愛いんですけど!」


 シェダルが取り出したのは、小型のウサギの置物と鳥型の置物だった。


「こいつらはただ可愛いだけじゃないぞ! ……そうそう、この中で小型車両かバイクの免許を持っているのは?」


 5年前から免許取得の法律が変わり、シェダルの言った「小型車両」という免許項目が新たに作られた。

 50㏄までのバギーがそれに相当するらしい、剣さんは5年前にその免許を取ったみたいなこと言ってたな、俺たちを送迎してくれたバギーは50㏄以上あったけど。


「あ、俺一応小型車両持ってるぜ、親が『今のうちに資格項目埋めとけ』って言ってきたもんだから」

「さすが翔琉!」


 どうやら翔琉は小型車両免許を持っているようだ。

というか教習所の金をポンって出してくれるなんてさすがは御曹司だ。


「んで、愁は持ってないの?」

「いやいや、俺の家そんな金ねぇよ! 悠里はどうなんだよ?」

「ウチだって! ほんとは取りたいけどママがダメだって……」


どうやら愁と悠里は持っていないようだ。


「あの……。」


 薫が愁と悠里に割って入るように手を上げた。


「私……二輪車の免許……持ってます……」

「えー!? うそー!? マジ!?」

「あ……えっと……趣味で……」


 なんと、薫はバイクの免許を持っているようだ。

人は見かけによらないな……この言い方は失礼か。


「よし! ではウサギが翔琉で、鳥が薫だな!」


 シェダルが置物を2人に渡した。

よく見たら置物の背中に鍵穴があった。

あー……なんか理解したかも。


「シェダルちゃん、免許とこれに何の関係が?」

「この鍵を嵌めてみろ」


 シェダルは、ハンドルが描かれている鍵を翔琉に、車輪が描かれている鍵を薫に渡した。

……と、いうことは。


「こう? うおお?」

「……びっくりした」


 2人が指示通りに鍵を嵌めると、ウサギはバギーに、鳥はバイクになった。

あんな小さな置物が一瞬のうちにバギーとバイクそのものに変化したので、こちらも驚いてしまった。

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