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第百十三話 実装解除、湧き出る疲労

「いやはや、やはり見込んだ通りだ! 素晴らしいぞ!」


 シェダルは4人の活躍を見て、拍手を送った。

 正直俺も、同じようにしたくなるくらい、素晴らしいと思った。


「愁! お前血まみれじゃないか!」

「翔琉も大概だぞ!」

「あ、ほんとだ。赤い装甲でよくわからなかった」

「薫ちゃん、紫のかわいい恰好が血まみれじゃない……ごめん、ちょっと吐きそう……」

「……悠里さんも血まみれ……」

「え、うそ!? いやだキモい! シェダルちゃん! どうやったら脱げるの! 早く教えてよ!」


 悠里のグロ耐性の無さがいかんなく発揮された。

 俺もだいぶ慣れた方ではあるが、確かに血まみれになるのは今でも嫌だ。


「携帯に『実装解除』と唱えれば……」

「ありがとう! 実装解除! 実装解除ぉ!」


 1秒も待たず、悠里は呪文を唱えて装甲を脱いだ。

 血まみれになっているのが耐えきれなかったようだ。


「ねぇねぇ! 皆も早く脱いで! キモいから!」

「お前今まで何回かダンジョン探索してただろ? いい加減慣れろよ……」

「血液はマジで無理なの!」


 悠里は何かトラウマでもあるのだろうか?

 翔琉は一応理解は示しているようだが、少々呆れているようにも見えた。


「全く……実装解除!」

「実装解除!」

「実装……解除」


 他の3人も装甲を取り、元の姿に戻った。

 皆は装甲を脱ぐと、疲れからか中腰姿勢になり、中でも愁は疲れ果てたのか、横に倒れた。


「はぁはぁ……」

「やば……しんどくなってきた……」

「これ……どうなってんだ?」

「……」


 4人とも、かなり疲労している、まるで校庭を10周くらい全力疾走した後みたいだ。

 一体どうしたんだろうか?


「さて、どうだった? 初めての変身は」

「凄い……でも……」

「これ……体力使うかも……」

「うーむ、やはり調整が難しいな」


 シェダルは首を抑え、考え込んだ。


「ねぇ……やっぱりプロに任せた方がいいんじゃない?」


 愁が疲れ果てながら手を上げて提案した。


「いや、これはプロの冒険者でも同様の状態になるだろう! 安心しろ! 決してお前らの体力がダメなわけじゃない! 寧ろ想定を超えている!」

「そう? ……ならいいけど」


 愁は納得したのちに、倒れこんだ。


「なぁ、なんでこの武器たちはこんなんになるんだ? 腕輪は何ともならないのに」

「やはり鍵を使うか、そうじゃないかの違いだな、元より私は鍵スキルだ、この4つの武器の調整はやはり難しい」

「うーん……なんとなく分かる気もするが……」

「変身しても、もって10分くらいだろうな、まぁそのくらいあれば十分だろう、10分だけに! はっはっは!」

「……」


 笑い事じゃないと思うのだが……。


「よし!」


 翔琉がそう言って立ち上がった。

 何が良いんだ?


「これで一応、お前とシェダルちゃんと対等の力が手に入ったってわけだ! 昇!」

「あ、あぁ……」

「これから頑張ろうぜ! 改めてよろしく!」


 翔琉がこちらに手を差し伸べてきた。

 これから……一緒に……。


「……おう! 一緒に頑張ろうな!」


 俺はその手に応え、握手をした。


「よし! ヒューモンスター対策チームの結成だ!」


 シェダルは俺たちの間に入り、そう叫ぶ。

 チーム、か……いい響きに感じる。

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