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第十一話 凄すぎる! 鍵スキル!

 祭壇の中には、腕時計とは違う、鍵穴のようなものがついた金の配色の腕輪と、腕輪と同じ色の鍵が中に入っていた。

 興味本位で祭壇の扉を開け、俺はその二つを手に取った。


 この腕輪は……こう嵌めるのだろうか?


 無意識に腕輪に魅入られた俺は、手首にそれを嵌めてしまった。

我に返ると、腕に着けた腕輪を見つめ、鍵を握りしめていた。

 いけない、何であれこれは人の物だ。

外して祭壇へ戻そうとしたその時だった。


『力が欲しいかい?』


 突然聖堂に謎の声が響いた。


「誰だ!?」

『君は鍵スキルだという理由で無能扱いされているのだろう?』

「だから何だってんだ! 出てこい!」

『そんな君にサプライズプレゼントさ! その腕輪を君に託そう……使い方はいずれわかる筈さ』

「お前は一体……」

『それでは健闘を祈るぞ!』

「健闘を祈る? おい! それってどういう意味だ!」


 真上に向かって主張するも、声が響くだけで、声の主は消えてしまったようだ。

腕輪を託す……? 言葉の意味を咀嚼していたその時、突然聖堂の天井のステンドグラスが割れ、2体の怪物が下りてきた。

 2体ともにゴブリンのように見えたが、第一階層にいた奴らとは体格も大きさも違う。


 怪物達は俺を見つめるや否や、問答無用で襲い掛かってきた。

状況が呑み込めない……俺は死に物狂いで出口へ走った。



 聖堂の扉を開け、俺は広間の物陰に身を潜めた。

このまま外に出たら間違いなく殺される……一体どうすればいい?

 そんな時、無意識に嵌めた腕輪と、手汗まみれの右手に握っていた鍵を見つめた。


『使い方はいずれわかる筈さ』


使い方……いずれわかる?

鍵穴……もしかしたらこの鍵は?

腕輪に鍵を嵌めたその時だった


『鍵スキル!!』

「うぉ!? なんだ!?」


 馬鹿デカい音声が広間に響き、思わず声が出てしまった。

それと同時にロック調の音楽が腕輪から流れる。


 それにゴブリンが気付かないわけもなく、俺が隠れている像の陰へ歩き始めた。

あぁもう! どうにかなりやがれ!

 頭の中が真っ白になった俺は、物陰から外に出て、鍵を回した。


『スキル解放! 凄すぎる! 鍵スキル!』


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