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第百四話 君らにお願い! 一緒に解明!

「さて、茶番はこのくらいにして、君たちにお願いがある!」

「お願い?」

「なになに?」

「ウチらにお願いってどういうこと?」

「……?」


 四人は興味津々だった。

 俺も正直、それには気になった。


「私たちで、モンスター人間……『ヒューモンスター』の謎を解き明かそうではないか!」


……ん?


「ヒュー……モンスター? 何だよそれ?」


 俺は聞いたことが無い単語に対して質問してみた。

一体何なんだ?


「あぁ、あの活動家の男が変身したオークモドキや、お前らと同じ学校にいたあのスライム人間の事だ、いちいちモンスター人間って言ってると、なんかしつこいからな、固有名詞を私が命名した」


 いやいや、ただ人間を意味するヒューマンとモンスターを合わせただけじゃないか。

流石の4人もこのネーミングセンスは……。


「いいねそれ!」

「なんか言いやすいかも!」

「ウチ、気に入った!」

「……覚えやすい」


 ……賛同してしまった。

仕方がない、俺もそれに乗ろう。


「まぁ、立ち話もアレだ、鍵屋へ行こう」

「おいおい! 勝手にこいつらを家に招いたら叔父さんが……」

「既に卓郎さんには伝えた、『昇の友達を連れてくる』ってな」

「はぁ? なら安息の地でも……」

「安息の地は鍵スキルしか入れない、忘れたか? しかも紅茶セットを鍵屋に持って行ったから、そこに行ってもお茶を出せない、お前の友達にお茶ぐらい出さないとダメだろう?」

「……」


 友達って、何勝手に決めつけてんだ、こいつらだっていい迷惑じゃ……。


「確かにここじゃあアレだな! 行こう!」

「お、おい……」


 小松が賛同してしまった、こうなると結果は目に見えていた。


「だな! 金剛の家に行くか!」

「ウチも賛成……なんかもうモンスターの死体やら血液やら見てたら気持ち悪くて……」

「……私も」


 はい、皆さん賛同いたしました。

 なんで俺の……じゃない、叔父さんの家を会合の場に……。

 叔父さんも何で許可するかなぁ……。


「そうと決まれば早速行こう!」


 シェダルは転移スキルの鍵を取り出した。

 羽田は気になったのか、それを指差した。


「なにそれ!?」

「見ていればわかるさ」


 シェダルは鍵を刺して、変身動作を行う。


『転移スキル!』

「スキルチェンジ!」

『スキル解放! 移りたすぎる! 転移スキル!』


 シェダルが転移スキルの姿になった。


「すっごーい! ……気になるんだけど、その音声、何?」


 羽田が音声について尋ねた。

 シェダルの答えは勿論……


「私の趣味だ」


 これだった、だからなんなんだよその趣味っていうのは。

 ……あ、そういえば忘れてた。


「牛さん! おいで!」


 俺の声に反応し、牛さんが俺の前に立った。


「うわなに!? キモ!」


 羽田は牛さんに対して辛辣な言葉を言い放った、酷くないか?

 まぁでも、こいつらから見たらモンスターだしな……。


「牛さん、ここまでありがとう、ダンジョンの奥でひっそり暮らしな」


 牛さんは静かに頷いて、ダンジョンの奥へと消えていった。

 ……ありがとう、牛さん、また会ったら敵になるかもしれないが、君の事は忘れない。

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