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第百話 現場に着いた、待たせたな!

「あれが門か!」


 第三階層の門が見えた! ここを突破すればあと少し……かもしれない!


「止まって! 止まって!」


 俺を抱えていたリトルミノタウロスが急ブレーキをかけ、俺の指示通り、止まった。

俺は揺れによる吐き気を我慢し、ここまで運んできてくれた牛さんにお礼を言いつつ、鍵スキルに変身する。

 ……これ鍵変えたらこいつ、襲ってくるかな? その時は倒すしかないが……なんか胸が苦しいな。


「……といっても、今までモンスター狩りまくってたわけだし! ここは仕方がない! ……ごめんよ」


 俺は腕輪についている鍵を外そうとした。


「……」


 おい! そんな目で見るな! 外しずらいだろ!

時間がないってのに、何考えているんだ俺は!


「……ええい! 一気に抜いちゃえ!」


 俺は牛さんに揺られながら、コンディションを考えていた。

襲ってくることを考え、距離を取って鍵を抜く、そしてこいつを仕留める、簡単な話だ。

俺はまず、こいつから全力疾走で離れた……吐き気の影響で上手く走れない!

そして走りながら鍵を抜いた……。


「……あれ?」


 襲って……来ない?

それどころか、依然として、直立不動だ。

俺は鍵スキルの変身し、牛さんに慎重に近づいた。


「もしもーし!」


 俺は牛さんの顔の前で手を振った。

……攻撃する気配はない。

どうやらまだ俺のしもべの状態のようだ……


「……よくわからんが、ラッキー!」


 俺はドライバーを門に当て、開けた。

こういう時、鍵スキルは便利だ


「さ、牛さん! 最後まで俺を送ってくれ!」


 牛さんは頷き、俺を抱えて走り始めた……


「あ、だから揺らさないでくれ! お願いだから!」



 しばらく第二階層を駆け抜けた、モンスターに途中何度も遭遇したが、牛さんが軽やかに避けてくれたおかげで無傷だ。


「どこだ……どこだ……」


 俺は酔いを我慢しつつ、辺りを見回す。

……すると。


「いた!」


 目の前にデビルスパイダー、そいつの足の間から小松たちが見えた……が。


「やばい!」


 立っているのは小松だけで、残りの3人はぐったりと倒れていた。

そして糸の攻撃が発射される! 助けなきゃ!


『みんな! 今日は本当にごめん! すべては俺の責任だ!』

『金剛は不正なんかしてないし細工もしてない! スキルで人を決めつけるんじゃねぇよ!』


 ……あいつは俺の味方をしてくれた、今はそれの恩返しの時だ!


「おりゃあああああああ!!」


 牛さんがデビルスパイダーの間を駆け抜ける。

俺は牛さんに抱えられた状態でドライバーをぶん投げた。

当たるかどうかはイチかバチかだった。

結果は……糸に命中し、それを弾くことに成功した。

 俺は牛さんから降りて、小松の目の前に着地した。

やべぇ……揺れすぎてて吐きそう……


「お前は……」


 後ろにいた小松が俺に声を掛けた。

やべぇ……文章で謝罪したとはいえ、なんていえばいいんだろう……ていうか吐き気で何も考えられねぇ……どうしよう……。


「……待たせたな」

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