閑話 到着する仲間
「はぁはぁ……」
「ちょっと……集中力切れてきたかも……」
デビルスパイダーの眼球を狙う攻撃を続けていた羽田と岩国だったが、6つ目を潰したあたりで、体力の限界を迎えようとしていた。
「五つ目潰したあたりから……外しまくっちゃったね……ごめん……ウチが不甲斐ないせいで……」
「……羽田さんは……悪くない……」
2人は中腰姿勢になるも、前線で頑張っている小松と三沢のために、体勢を立て直した。
一方、前線の2人は。
「はぁはぁ……脚は一つ切れたけど……そこから全然だめだ……」
小松は脚を一つ切断し、デビルスパイダーの体勢を崩すことには成功した。
しかし三沢は……
「やばい……俺は吹っ飛ばされ過ぎだわ……」
鎚と相性が悪いせいか、上手い事攻撃を当てることができなかった。
「がんばれ! 愁! あと少しだ……」
「……おうよ!」
2人は再び立ち上がり、戦闘態勢に入ろうとした……が。
「愁! おい! しっかりしろ!」
三沢の体力は、既に限界を超えていた。
デビルスパイダーは更なる攻撃を仕掛けようとしている。
「クソ……どうすれば……」
後ろにいる羽田と岩国も、もはや猶予はなかった。
まさに現場は危機一髪、他にダンジョンの中へ入っている人も辺りを見渡す限りはいない。
小松はただ一人、戦うしかなかった。
「何があろうと! 仲間は俺が救う!」
小松は三沢の前に立ち、デビルスパイダーの糸攻撃を受けようとしていた……その時だった。
「おりゃあああああああ!!」
突如、ドライバーのような槍が投げられ、蜘蛛の糸が弾かれた。
そして小松の前に、一人の人物が立ち塞がった。
「お前は……」
小松はその姿に見覚えがあった。
「……待たせたな」
鍵スキルの仲間、金剛 昇だった。




