第十話 デカい神殿、謎の祭壇
重々しい扉の奥は、ダンジョンの暗闇とは反対に、太陽のような光を放っていた。
あまりの光源の差に、俺は目を瞑り、腕で光を遮った。
ゆっくり目を開け、腕を下げると、真っ青な空の下に、花々が咲き誇る平野が目の前に飛び込んできた。
それはまるで、日本ではない別の国の風景を見ているようだった。
俺はしばらく、その風景に圧倒されていた。
ここは外なのか? はたまた異世界なのか? 頭の中でそんなことを考えていた。
ふと奥のほうに目をやると、白い建物が建っているのが見えた。
俺はそれが何なのかが気になり、足を動かした。
しばらく歩くと、その全容が明らかとなった。
白い大理石でできた、芸術的な柱と屋根。
屋根には天使と動物の絵が掘ってあり、まるで世界遺産の神殿を連想させるものであった。
中を見てみたい、外に出るという目的を忘れた俺は、足を再び動かした。
中に入ると、床の赤い絨毯が目立つ広間が飛び込んできた
天井を見上げると、ステンドグラスの天井から光が下りてきていた。
ここは天国で、俺は既にこの世にいないのだろうか?
一瞬そんな考えが過った。
さらに奥へ足を進めると、海外の映画でよくあるような、聖堂のような部屋に入った。
すると、奥の十字架の前に、広い聖堂からすればかなり浮いている小さな祭壇が、ポツンと存在していた。
俺はそれが気になり、まっすぐと祭壇へ向かった。