第九十八話 返信する、そっちに向かう!
「頼む! 返事をくれ!」
俺は意を決して、メッセージを送った。
お願いだ! 今だけでいい!
その希望が届いたのか、返信が来た……協力してくれるという内容だった。
「良かった……」
もしかしたら、文章ではそう書いているだけで、心の中では許していないのかもしれない。
それでも、嬉しかった。
『それで、何を協力するんだ? というかお前今どこ?』
小松からのメッセージだった。
『今ダンジョンの第四階層にいる、シェダルがデビルスパイダーに連れ去られたんだ!』
俺は正確に情報を教えた。
『第四階層!? ちゃんと許可貰った!?』
三沢からのツッコミだった、まぁ普通に考えたらそう思うよな……
『シェダルが許可貰って俺も同行してた』
『シェダルちゃんって冒険者だったの!? もっといい仕事就けばいいのに』
羽田がシェダルの仕事について心配した、まぁ俺も同じ立場だったらそう思うが……って今はそんな場合じゃない!
『今はそんな話をしてる場合じゃないと思います! ( `_ゝ´)』
意外にも岩国が場の空気を戻してくれた、岩国っておっさんみたいな絵文字を使うのか?
『デビルスパイダーって私たちが授業の時に襲ってきたモンスターですよね? シェダルさんを拘束して移動したということはこちらに近い場所に巣がある可能性があります! (´・ω・`)』
『何でそう言い切れる?』
『デビルスパイダーは深い階層で獲物を捕まえて、浅い階層に巣を作るんです! (`・ω・́) 第三階層の門も潜り抜けて、管理している自衛隊の皆さんの悩みの種になっているみたいです……(´・ω・`) ちなみに、魔法教室で習いました! (*´ω`*)』
『岩国さんすご!』
『じゃあこの近くに巣が無いかないか探してるから、金剛はこっちに戻ってきて!』
『わかった!』
岩国の博識っぷりに感謝しつつ、俺は合流するために、ダンジョンを引き返した。




