8・喧嘩っ早い奴らって嫌だな
ギガースのアジトに泊まりました。
今日はオーガの村に向かいます。
話し合いで済めばいいんですけどね。
今日は朝早くから出発して、オーガの村を目指してます。
今朝もマリンちゃんと通話しました。
マリンちゃんにギガース達と仲間になった事を伝えたら「おっきい人たちだよね。マリンがカッコいい名まえをかんがえてあげなきゃ」って張り切ってた。
可愛い、天使過ぎるぞマリンちゃん。
そのな感じで、補充したマリンちゃん成分を糧にして何とか歩いてます。
本当は行きたくないけどね。
嫌な予感がするし。
「それでオーガの首領ってどんな奴なの、ギガゾーン?」
「オーガは戦闘種族ですからね、種族全員があたい以上に戦闘狂です」
マジっすか! 嫌な予感どころか確定じゃないっすか。
「あたい達はお互いにやり合ってましたけど、性格的にはサバサバした奴ですよ、オーガの首領は」
「ランスロード様がぶっ飛ばしてやれば、絶対に言う事聞きますよ」
やっぱ確定じゃんかよ。
「話し合いは?」
「無理ですよ」
ですよね~。
でもあれか、考えようによってはギガゾーン戦の続きが出来ると思えばいいか。練習足りてないしな。
まあ、なるようになれだな。
そうこうしてるうちにオーガの村に到着した。
僕達はすぐに首領の元まで通された。
小細工なんかは嫌いなのだろう、オーガの首領は堂々とした態度で僕達の前に立っている。
真っ赤な髪から伸びた2本の長いツノ。
スラリと伸びた長身に筋肉質の引き締まった身体。
紅の瞳が光る、切長の厳しい目。
そして圧倒的な迫力の巨乳。って。
「また、雌かよ!」
「いきなり失礼な奴やな、わてが雌やからってなんやの!」
「あ、すいません、失言でしたね」
「しかし、ガッカリやなギガースの族長はん、吸血鬼なんぞに尻尾振るとは。わてはあんさんのことは認めてはったんよ」
「はん、てめえも直ぐにわかるさ」
「そんで、吸血鬼はんは何の用でここに来なはったん?」
「ああ、僕は争いの仲裁に来たんですよ。森に住む別の種族達が迷惑してるんで、仲裁を受けてくれませんか?」
「はん、何の冗談。吸血鬼如きの仲裁を受けろとは」
やっぱり話し合いには応じてくれそうにないなあ。
「ランスロード様、あたいが話しをしてもいいですかね?」
「お、そうか、ギガゾーンは知り合いだもんね。ちょっと話してみてよ」
「おい、オーガの首領、ちょっと面貸せよ」
「はん、負け犬が何の用や」
「穏便にね、ギガゾーン。なるだけ穏便に」
ギガゾーンとオーガの首領は、僕達とは少し離れて二人だけで話しをしている。
上手く説得してくれると嬉しいんだけど。
やがて二人共、僕達の所に戻ってきた。
「それでは始めますか吸血鬼はん。わてに勝ったら言うこと聞いたるわ」
う~ん、何を言ったのかなギガゾーンさん。
「話しはつけましたよランスロード様。存分にノシてやって下さい」
やっぱりかい!
「一応聞くけど、話し合いに応じる気は」
「ありまへんな」
「ですよね~」
まあ、予定通りってことかな~。
じゃあ予定通りに戦闘訓練に、昨日のギガゾーン戦のおさらいでもしときますか。
「仕方ないから、始めますか」
「舐め腐った態度してくれはりますなあ、吸血鬼如き細切れにしたるわ!」
「ウオォォー!」
ズドン、ズドオオォン、バキ、グシャアン
ブシャ、バゴン、バキバキ、ガゴオオォン
メギ、メリメリメリ、ドン・・・・・・
・・・・・・・・・・・・
・・・・・・
ふう~、5分かあ。大分、勘が戻ってきたけどもう少しやりたかったな。
「凄え、あの首領を一方的に、ゾクゾクするな」
「ああ、こいつは半端ないぜ」
「へへへ、血湧き肉躍るって奴だな、こりゃ」
あ、あれ、何かオーガさん達の雰囲気がヤバイ感じになってません。
ゴキゴキッ、メキッ
「こいつらオーガは戦闘種族ですからね。自分達もやらないと納得しないんでしょう」
指鳴らしながら何言ってるのかな? ギガゾーンさん。
「そういう事なら、俺も殺りますか!」
ブーザンまで何言ってんのかな?
「やっと某の出番がきたようだ!」
「わしの力もようやく試す機会を得たようですな」
「おいらも殺るっすよ!」
いやいや、駄目でしょう僕らは仲裁に来たんですよ。みんな殺す気満々でしょ。
「みんなして何言ってんのかな。僕達は喧嘩を止めに来たんだよ。殺すなんて駄目。論外です」
「「「「「えっ」」」」」
「でもランスロード様、こいつら殺る気ですよ」
「そうでござるよ。黙って殺られるおつもりですか」
「ああ、あたいらでコイツら全員殺っちゃうしかないですよ」
「だから駄目です。認められません」
「僕が一人でやりますから、君らは見学してて下さいね」
戦闘訓練の続きしたいしね。
「「「「「えっ」」」」」
「お一人で? えっ? 無理っすよね」
「いや、えっ?でもコイツら1000体もいるんですよ」
「そうですよ。いくらランスロード様でも無理ですよ」
「君らが戦ったら相手を殺しちゃうでしょ」
「当然でごさる。相手だって殺しにくるのだから」
「だから駄目です。殺しちゃ駄目だから」
君達が暴れ出したら、僕の練習相手が減っちゃうでしょ。
「え~と、オーガさん達、こいつら村の外に出しますんで、ちょっと道開けて下さいね」
「君達の相手は、僕が一人でやりますんで」
「ほら、君たちはサッサと出て、出て」
「「「「「「えっ」」」」」」
今度はオーガさん達が驚いてるなぁ。
「貴様が凄いのはわかったが、余りにも俺達を舐め過ぎだ」
「馬鹿にしやがって、ぶっ殺してやる!」
「ああ、ズタボロの細切れに引き裂いてくれるわ」
オーガさん達殺る気満々だあ。
練習はしたいし実際に必要な事なんだけど、改めて考えると面倒くさいなぁ。
今回の戦闘は省略パターンでした。次回にご期待下さい。
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連載中の[不幸続きで転生5回目・・・]です。
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互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。
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