表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/51

18・勝手に話しが進むって嫌だな

 【お詫び】

 リアルの仕事が忙しく、今回からしばらくの間、一日置きの投稿となります。なるべく早く毎日投稿に戻したいのですが、しばらくの間はご勘弁下さい。




 嫁と娘の交渉の内容が、ランスロードとガラハ=ランス=ウェン公爵に明かされます。


 さて、二人の反応は?

 今、僕達はエフード王国のアレサンドから帰る途中です。


 亜空間移動で先にマリンちゃんを帰そうとしたら「マリンあるけるよ、みんなとあるきたい!」と可愛い事を言い出した。

 左手を僕が、右手を嫁さんがしっかりと握って、親子3人仲良く歩いてたんだけど、結局疲れちゃったマリンちゃんは今、僕の背中にいます。


 愛娘をおぶっている僕に、嫁さんは硬砂城での交渉の事を話し始めた。


 いや、駄目でしょそれ、シャレにならないです。建国って絶対に面倒くさいよね、それ。


 元々青白い顔の青さが、どんどん増していく僕の事などお構いなしに、嫁さんは話しを続けていく。


 駄目だってそれ、なに、側室って、いや聞いてないよ〜、ヤダヤダ、何を考えてんのよ僕の嫁さんは。


「え、パパとママ、おわかれしちゃうの? マリンやだよ〜」


「違う違う、パパとママはお別れなんか絶対にしないよ」


「だってママ、マリンにあたらしいお母さんがくるって」


「新しいお母さんはママの代わりに来るんじゃないの、マリンのお母さんが増えるのよ、マリンのママが二人になるのよ」


「マ、マリンのママが二人になるの?」


「そうよ」


「・・・・・・」


 考え込むマリンちゃん、考えている姿もやっぱり可愛い、背中に居るからよく見えないけど絶対可愛い。


「マリンは新しいお母さんとも仲良く出来るかな?」


「で、できるよ、マリン、あたらしいママともなかよくできる! マリンとあそんでくれるかな?」


「マリンちゃんが良い子にしてたら、遊んでくれると思うなあ。新しいママと遊ぶの楽しみだね、マリン」


「ママもいっしょ?」


「勿論ママも一緒に遊んであげるわよ」


「たのしみ! マリン、あたらしいママとあそぶ!」

「パパ、あたらしいママはいつ、くるのかな〜」


 いや、駄目でしょ、何をノセられてんのかな〜、マリンちゃん。

 あ〜、でもそんなマリンちゃんも可愛い。


「僕は嫌だよ。何、国王になれとか、側室もらえとか、それ絶対に駄目だから」


 絶対に面倒な事になるよ、それ。


「あんたはのんびりと過ごしたいんでしょ?」


「そうだけど」


「だったらこうするしかないのよ」


「何でそうなんのさ!」


「今回のアポリドンの事もそうだけど、復活したアイツとは絶対に絡む事になるのよ。だからあんたも力を持っとく必要があるの」

「あんたに力があれば、アイツらも簡単には手が出せないでしょ」


「でも建国とか、側室とかって、それだって面倒くさいのは一緒じゃないか」


「あんたはここでちょっとだけ頑張るしかないのよ。もし、今、このまま何もしないでダラっとしてたら、アイツら毎日のように戦いに来て、あんたは連戦、連戦よ。それでもいいの?」


「それは嫌だけど」


「それに力が無ければ、あんたの大事な友達もやられちゃうかもしれないわよ。オーグスやブーザン、トンコだって危ないかもしれないわ。新しく村に来た子達だってそうでしょ。あんた、あの子達を守護するって約束したんでしょ?」


「それはまあ、したけどさあ」


「だったらやるしかないのよ。まあ今だけだから頑張りなさい。考えるのはあたしがしてあげるから、あんたはあたしに言われた通りにしてりゃぁいいのよ。最後は絶対にのんびりさせてあげるから」


「なんかヴィアさんにノセられてる気がするんだけど」


「気のせいよ、気のせい」


 絶対に嫁さんにノセられてるよね、僕。







「お前は何を考えているのだ。ランスロード様に建国を促すのは良いが、輿入れなんて国王が納得するわけがないだろう」


 あ〜もう、うちの娘って滅茶苦茶する娘だとは思ってたけど、これほどとはなぁ。


 私は公爵として、娘に交渉の内容を問いただしていたのだが、そのぶっ飛んだ内容に目眩を覚えていた。

 やっぱりヤバイな私の娘、完全に鬼子だよ、この娘。


「大丈夫ですお父様、ドレード王はわたくしが説得しますわ」


 完全に自国の国王のことを舐めきってるなぁ、我が娘。


「しかし輿入れといっても一体誰を側室に出すつもりだ。ドレード王に娘は二人しかおらんのだぞ」


「それは勿論、考えてありますわ」


「しかし第2王女のルコスは通例で、我が家の嫡男でお前の弟のウェインの妻になる事が決まっている。まさか、第1王女のアルナか?」


「いえ、アルナはこんなところで使いませんわ。彼女にはまだ王家にいてもらわないと」


 使いませんわってお前、王族の姫に対して・・・

 そういえばアルナって、グィネを尊敬していて、グィネもアルナを手駒のように使ってるって聞いた事があるけど・・・そんな、まさかね。


「では、一体誰を側室に出すというのだ。国王の娘は二人しかおらんのだぞ」


「わたくしが参りますわ」


「へっ?」


「だから、わたくしがランスロード様のところに輿入れすると言っているのです」


「だから、何を言ってるんだ。お前は王族じゃないだろうが! 側室の条件として国王の娘を出すと言い出したのもお前だろうが!」


「わたくしがドレード王の養女となる事を、王に認めさせます。我がウェン公爵家は王族と並び立つと称されているエフード王国の名門。なにも問題はない筈ですが」


「いやいや、何言っちゃってんの? お前はエフード国の王太子ガヘスの許婚だろうが!」


「わたくしはあのような小物に興味はないと、前々から言っていた筈ですわ」


 いや、次期国王に向かって小物って、お前。


「ガヘスごときには、妹のギネでも充てがっておいてください。あの娘ならガヘスも上手く操縦出来ますわ」


 自分の妹を充てがうって、しかもそれで王太子を操縦って・・・この娘、全員を自分の手駒にする気なの?

 私の娘だけど、お父さん怖くなってきちったよ、本当。


「わたくしは今から王都に向かいますわ。お父様はランスロード様の建国に合わせた同盟発表の準備をドワーフ王国と進めてください」

「それと、わたくしの輿入れもその時に同時に発表致しますので、そのおつもりでお願いしますわ」


 うわ〜、この娘、勝手にどんどん話しを進めちゃう気だよ。

 お父さんの公爵としての立場とか、ドレード王の立場とか考える気は無いの? ねえ。


 この先、エフード王国とウェン公爵家ってどうなっちゃうのかな。本当に大丈夫かな。



 

 グィネを主役に書く予定だった話の内容は、王太子の許婚のグィネが周りの人達を手玉に取って、自分に都合が良いように操縦していく話しでした。

 ランスロードとの結婚話は、その物語のクライマックスとなる予定でした。

 まあ、今となっては書く気はないですけどね。







 【作者からのお願いです】


 読者様からの反応を何よりの励みとしています。

 ポイント評価、ブクマ登録、感想、レビュー、誤字報告を頂けますと、創作意欲のより一層の向上に繋がります。

 お手数だとは思いますが、何卒宜しくお願いします。




 連載中の[不幸続きで転生5回目・・・]です。

 この小説とリンクする作品となります。

 ↓

 https://ncode.syosetu.com/n7763fx/



 互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。

 こちらもよろしくお願いします。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ