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14・偉い人って堅苦しそうで嫌だな

 やっとアポリドンの奴をぶっ飛ばせた。

 これでようやく家に帰れるよね。


 そういえば、今日ってこの大陸の東南の方の国では、親しい人にお菓子を贈るお祭りの日だったよな。


 僕もマリンちゃんにお菓子をあげたいなぁ。

 すぐに帰るから、待っててね、マリンちゃん。



(2月14日投稿)


「お~痛てぇ。まさか俺が一撃でやられるとはなぁ。やっぱり強ぇなランスロード」


「君も充分強いでしょうが、とりあえず一度、うちの村においでよアポリドン」

「ルシフルにも、君を殴った事情を説明しないといけないしさ、後で僕達が西の大陸まで送ってってやるから」


「なんだ、送ってくれんのかよ。そりゃ助かるぜ、んじゃちょっとだけ世話になるかな」

「最初からそう言ってくれれば良かったのによ」


 全く、最初から穏便に済ませたかったのに、闘りたがったのはお前だろうが。



「ちょっと待ちなさいよ、コイツも連れて帰るの?」


「えっ、駄目かな?」


「んだよ、ケチケチすんなよ、吸血鬼」


「アンタは黙ってなさい。まあ、駄目じゃないけど、家に泊まるのは嫌よ」


「まあ、そうだね。だったらクロスのとこか、ブーザンのとこでいいんじゃないかな」


「うちなら全然構わないですよ」


「おう、話しがわかるじゃねぇか、豚野郎」


 泊めてくれるって魔物に対して、豚野郎ってあんた。まあ、ブーザンは気にしてなさそうだからいいけどね。


「それじゃあそういう事で、みんな、帰ろうか」


 僕は早く帰って、マリンちゃんに会いたいんだよ。



「ちょい待ち、ランスロード様。なんか向こうから人間の一団が来はりますよ」


「えっ!」


 トラさんの言葉で振り向くと、確かに人間の一団、いや騎士団だな、あれは。その騎士団が近づいてきている。


 嫌だなぁ、ここにきて揉め事とか勘弁してくれよ。


「騎士か! やっちまうか!」


「だから止めろってアポリドン。あっちから来てるって事はあれだよね、エフードの人だよね?」


「だと思うわね、まあ、いきなり掛かってくるような馬鹿じゃない事を祈りましょ」


 

 騎士団は、僅かに50騎の騎馬騎士だけだった。その騎馬騎士達は、僕達からかなり離れた所で停止した。

 そして、1騎の騎馬騎士だけが僕達に近づいてきた。


「ランスロード様ですか?」


「えっ、そうだけど、なんで僕の名前を知ってんの?」


 その騎士は、僕の質問には答えずに、自分の名前と用件だけを告げてきた。


「自分はエフード王国、ガラハ=ランス=ウェン公爵の元で、青龍騎士団の団長を務めますポール=マロスといいます。ランスロード様を領都までお連れするようにと、主人、ウェン公爵より命を受けて参上致しました。ご同行願えますでしょうか?」


「嫌だ、帰る」


ポカンッ


「痛い!」


「申し訳ありませんね、この馬鹿が。あたし達が一緒でもよろしいのかしら?」


「何で叩くの、ヴィアさん?」


「あんたは少し黙って!」


「は、はい」


「で、どうかしら?」


「は、はい。勿論同行していただいて構いません」


「そう、ではお伺いさせていただくわ」


「え~、もう帰ろうよ、ヴィアさん」


ポカン


「痛い! だから、何で叩くの?」


「うるさい! いいから行くわよ」


 なんだかなぁ、早く帰ってマリンちゃんと遊びたいのにな。


 嫁さんの一言で、僕達はエフード王国のウェン公爵領の領都まで行く事になってしまった。


 道すがら、嫁さんが僕に「西の大陸のルシフルと戦う事にでもなれば、どのみちエフード王国とも絡む事になるのよ。だったら今のうちに話し合っといた方が良いの」って耳打ちしてきた。

 そんな事よりもマリンちゃんの方が100兆倍は大事なのに。イチャイチャしたいのに。



 そうこうしている間に領都に着いてしまった。


 ウェン公爵領領都アレサンド。

 モルドのやつが、ラシリア西部を脱出して初めて築いた、砂漠地帯のオアシスの街である。

 エフード王国の第2首都とも言われていて、その人口22万人を誇っている。


 1000体もの魔物をゾロゾロと引き連れて、街の中に入っていくわけにもいかないので、代表者だけで公爵と対面する事になった。



「アポリドンの奴どうするよ? 置いてくのも不安じゃない」


「俺も一緒に行くぜ、これから闘り合うかも知れねえ人間と会うってのも一興じゃねぇか」


「大丈夫かよお前、いきなり暴れたりしないだろうな」


「今はそんな元気も魔力も残ってねえよ。自分でさっきぶっ飛ばしといて、そりゃねえだろ」

「それに、お前とそこの吸血野郎も一緒なんだろ」


「野郎じゃないわよ! でもそうね、置いていくよりかえって不安は少ないわね。いいでしょう、連れていきましょう」


「マジで!」


「マジです」


 不安しかないんですけど。



 で、まあ、僕と嫁さんがアポリドンを連れて、領都の城まで行く事に決まりました。


 アポリドンの同行なんか、絶対に許可されないと思ってたんだけどね。僕達が一緒であれば良いって許可されちゃいました。

 僕も初めて公爵に会うんだけど、何故か信頼されちゃってるみたいです。


 何の話しなんだろね。公爵の話しって。

 面倒くさい事だったら嫌だなぁ。


 アポリドン復活編が終わりました。


 でもまだ帰れないみたいですね。







 【作者からのお願いです】


 読者様からの反応を何よりの励みとしています。

 ポイント評価、ブクマ登録、感想、レビュー、誤字報告を頂けますと、創作意欲のより一層の向上に繋がります。

 お手数だとは思いますが、何卒宜しくお願いします。




 連載中の[不幸続きで転生5回目・・・]です。

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 互いに独立した自己完結する作品に仕上げる予定です。

 こちらもよろしくお願いします。

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