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お題『白』

「欲しがりません、勝つまでは」

 全国民の有名なスローガンである。


 今や、日本は個人戦争時代を迎えていた。

 誰もが良い大学、良い就職先を求めて紛争する。


 自分は優秀な人間であらねばならない。

 絶対に休んではならない。

 絶対に立ち止まってはならない。


 誰もがスケジュール帳の余白に怯えた。

 誰もが気の狂ったように予定を埋めた。


 働かなければならない。

 インフラを回すことに全てをかける。

 それが、全国民の誇りでもあった。


 当然、無理してばかりなものだから。

 全国民の死因のほとんどは過労死(殉職)である。


 今日も私は火葬の業務に当たりながら。

 人がみな等しく、白い骨へと姿を変えるのを見た。

 そして、人が何と戦っているのかを考えた——。

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― 新着の感想 ―
[良い点]  余白(白)を嫌って骨(白)になる。  上手いです!  表現が非常に面白いですー [一言]  暗にホワイト企業を目指してた筈なのに、ブラックに働くと言ってるのかなぁーとも思いました。  こ…
[良い点] 読ませていただきました。 まさか、このお題でこういう展開にくるとは。 内容にとてもパンチが効いていますね。 やはり経験に根ざしたお話は重くて鋭いですね。
[良い点] 上手い…… 冒頭から結末までが流れるような構成ですね。 しかも、わかりやすくて共感できる。 (殉職)という笑い処もセンスを感じます。 りんりんさんの300文字、本当に面白い。
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