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お題『月』

 現文のテスト返し。

 偶然、彼の点数を見た人が辛辣な言葉を吐いた。


「いつも本ばっか読んでるクセに、赤点かよっ!」


 でも、彼は笑ったの。

「日本の小説は嫌いなんだ。必然性が薄くて」って。


 ——みんな、彼のことを優しいっていう。


 小説に興味なんてないけど、私は少し気になった。

 だから放課後、彼の読書の邪魔をしに行ったの。


「必然性が薄いって、どういうこと?」って。


 突然、話しかけたから。

 意外そうな顔をしたけど、彼は話してくれた。


「例えば、今回のテストの『山月記』。李徴が虎になる必然性は薄いよね。虎って密林の王だから、詩人になれなかった男がなるにしては気高すぎない?」


 彼のいうことって難しい。

 でも、彼のことが優しいと私は思わなかった。

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