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お題「手を伸ばしても空を掴むだけだった」で始まり、「それが最初で最後でした」で終わる物語

『夜道にはぐれて』


 手を伸ばしても空を掴むだけだった。誰かのことを確かに、私は理解しなければならなかったのに。


 小さな砂利が敷き詰められた地面に座り込む。後悔が押し寄せた。涙が零れてしまいそうになる。でも、誰かの方が圧倒的に「痛い」ことを私は知っていた。


 ✳︎


 示唆するかのように。眼前を列車が通り過ぎていく。私は身動きが取れないまま。闇夜よりも冷たい鉄の箱の影を、ただ凝視していた。


 音もなく滑らかに。懐かしくて大切なものが遠ざかっていく。一層のこと、私は轢かれてしまえば良かったのに。

 死にたいと思ったのは、それが最初で最後でした。

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