表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/49

お題『紅葉』

 JRの駅で仲良く並んだ電車の中。ふいに視線を感じた。四角く区切られた隣り合う車窓の向こう側。まだ年端もいかない女の子が、窓ガラスに手をくっつけて私を見ている。


 ご機嫌な女の子は愛想良く、ニコニコと笑っていた。いきなり右手を丸めたところで、じゃんけん大会が始まる。思わず、私も右手を出していた。


『じゃん・けん・ぽんっ!』

『じゃん・けん・ぽんっ!』


 じゃんけんをしてもらえることが、嬉しくてたまらない様子の女の子。勝っても負けてもクシャッと笑っている。


 それから。まるで思い出したかのように、ゆったりと電車が動いた。木の葉が色づき、秋の深まる景色を進む中。ひとひらの紅葉のような手は、いつまでも揺れ続けていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ